【伊藤が解説します】金融庁 FTXJapanを業務停止へ

金融庁 FTXJapanを行政処分

金融庁(関東財務局)は10日、倒産危機のFTXを親会社とするFTXJapanに対して説明責任の不足を理由として、交換業を含む業務停止命令を発令した。

それにより22年11月10日~12月9日の間、交換業、財産受け入れ業務が停止、日本円の出金は11日に再開されている。

金融庁を所轄下におく内閣府特命担当大臣(金融相)の鈴木俊一氏は11日の記者会見で資産の海外流出を懸念し、よりいっそう監視体制を強めると強調した。

FTX Japanは今年6月3日にグローバル版FTXの取引基盤をベースとする形で日本参入をはたしており、金融庁に「暗号資産交換業者」および「第一種金融商品取引業者」として登録されている。

鈴木金融相、FTX Japan顧客資産の国外流出に警戒感示す

COIN POST

金融庁と仮想通貨市場の関係とは

伊藤健次
伊藤健次
このニュース、伊藤が解説します。

大手海外取引所FTX社が倒産した余波がここ数日、さまざまな形で話題になっております。今回は国内取引所FTXJapanと金融庁の対応について解説をします。

仮想通貨取引所の不正や倒産自体は珍しくはありません。まだ業界が未成熟です。ここまで話題になっているのは被害総額の大きさです。被害にあった人数も過去最大です。

コインチェックハッキング騒動のだいたい100倍の規模だと思ってください。なので100倍話題になってます。コインチェック100社分の被害ですから、日本の取引所が全部吹っ飛んでもまだ足りないという規模の被害が世界的に起きてしまいました。

日本人も多く巻き込まれております。このような非常事態に力を発揮するのが監督省庁です。金融庁は事件が起きた翌日にFTXJapanに行政処分を下し、資金が動かせないようにしました。

これにより新たな被害が生まれることを防ぎました。同時に既存のユーザーは身動きが取れなくなりました。今回の金融庁の動きに対して評価する声と反発する声があるのはこのためです。

金融庁は被害を救済するために存在しているのではなく、被害が拡大しないようにするために存在しております。なので、すでに被害に遭ってしまった場合は金融庁の行動が自分の利益に対してマイナスに働くことがあります。

行政処分と監視によりFTXJapanは自由に業務ができなくなりました。これにより資金の流出が防げます。被害にあった方からすれば少しでも多くの資金が戻せるようになりますので歓迎する対応です。

FTXJapanに勤務する方も会社がどうなるかわからない状態で深夜まで対応をしている姿がSNSで確認できます。ここまで全力でやってもいつ資金が全ての顧客に戻るのか全く見通しが立っておりません。

ここから仮想通貨市場をどうするかという金融庁の立場の話になります。金融市場の健全化のため、プラットフォーム(銀行や証券会社)の経営リスクと金融市場リスクは切り離されており、プラットフォームが倒産しても資金は保全されております。

ちゃんと預け資産は返ってくるわけです。それは日本円だけでなく、株式などのポジションも返ってきます。過去倒産した証券会社の資産はちゃんと顧客に返還されております。FTXJapanも日本円は信託保全されておりますので返還されるでしょう。

問題は仮想通貨です。仮想通貨信託保全は現状ありません。2023年から仮想通貨信託保全が始まる見込みでした。仮想通貨信託保全がルール上ないからと言って取引所が好き勝手にできるものではなく、企業努力として仮想通貨信託保全に準ずるレベルの資産保全をとっております。

この返ってくるんだか返って来ないんだかわからないグレーなところがいま一番の論点になっております。金融庁は前倒しで仮想通貨信託保全を始めるかもしれませんが、これだけ大きなトラブルがあったので信託保全会社をどうまとめるかは時間がかかりそうです。

かと言って、トラブルがあったのに仮想通貨信託保全がないまま通常営業を再開するというのも金融庁の責任が問われそうです。最悪なケースは一旦全ての国内取引の停止です。金融庁が全力で仕事をすればそうなります。

金融庁は既存の投資家を守る以上に、これから起こりうるリスクを回避したいと考えます。1ヶ月間は全ての国内取引所業務停止とか、半年間は新規の顧客口座開設禁止とかありえますね。そうなった時に何をすれば良いのかを常に意識して仮想通貨取引をしましょう。

その他のおすすめ記事

【伊藤が解説します】日本政府暗号資産(仮想通貨)業者間の情報共有義務付け

【伊藤が解説します】ミクシィ×DAZN NFT二次流通市場を解禁

【伊藤が解説します】グレースケール、仮想通貨投資信託についてSECから調査

この記事を書いた人

伊藤健次

日本最大級の暗号通貨サイト【COIN OTAKU】編集長 1984年生まれ 静岡県出身 慶應義塾大学 大学院 経営管理研究科 ヘルスケアポリシー&マネジメント集中コース終了 株式会社ソクラテス 代表取締役 / 国内企業暗号資産事業顧問 / 暗号資産取引所アドバイザー / 暗号資産投資アナリスト / Fintechコンサルタント / 暗号資産非公式アーティスト /YouTuber テレビ東京WBS出演 テレビ東京モーニングサテライト出演 NHKおはよう日本出演 BS11 真相解説 仮想通貨NEWS!出演 その他各メディア取材、出演

関連記事

特集記事

ランキング
TOP
CLOSE