仮想通貨

アメリカの金融顧問企業が新しい銀行秘密法（BSA）を提案

2019.09.13

アメリカの金融顧問企業であるFinancial Integrity Network（FIN）はアメリカ議会に対し暗号資産業界を規制するために銀行秘密法（BSA）の元で新たな金融機関を作るべきだと提案しました。
米上院の公聴会を前に公開された陳述書の中で、FINは現在の銀行秘密法では一部の暗号資産サービスプロバイダー（VASP）はすでに資金移動業（money transmitter）としてBSAの規制下にあるが、規制されていないVASPもあると説明しました。
続けて、すでに規制下にあるVASPに対しても、暗号資産を守るためには規制は十分ではないとして新たな機関を作り、これらを規制することを求めています。
規制を管理する金融機関がVASPに対して詳しく調査を行うことで、暗号資産の規制の強化に繋がると見ていますが、現在のシステムでは、犯罪に加担するようなVASPを発見することが困難なため、新しい規制整備の必要性を訴えています。
この公聴会では「人身売買と金融システムとの交差点」と題され、人身売買に関連する金融取引を防止する方法、または人身取引を検出する方法の協議を目的として開かれました。

このニュース、 伊藤が解説します。

アメリカの規制強化の話です。
暗号資産市場と言えど社会の産業の一つであり、ルールが必要です。
現状は大まかな規制しかなく、具体的な事象において暗号資産を介した犯罪が発生しております。
人身売買がテーマの公聴会での発言でしたが、人身売買だけでなく違法商品の決済やマネーロンダリングなど防ぐべき事象は多いです。
暗号資産の誕生で発生事案数が増加しているかどうかはしっかりと追う必要があります。あくまで暗号資産はツールであり、それぞれの問題の根本解決にはつながりません。
今後どのテクノロジーも旧来の犯罪に利用されることがあるでしょう。そのたびに新しいテクノロジーを規制していては未来に進むことが困難になります。
一番重要なのは犯罪が起きないための解決策であり、多くの犯罪の根源となっている貧困問題に関してテクノロジーが解決する糸口があります。社会は全て繋がっており、規制しない方が犯罪が減るという事も証明できるようになるかもしれません。
暗号資産市場においては、ブロックチェーンの名誉回復のために社会貢献プロジェクトも多く誕生しており、このようなプロジェクトを支援することも市場拡大につながるでしょう。