「2050年に、1ビットコイン=約4.6億円になる可能性がある」
そんな分析レポートが公開されました。
この数字だけを見ると、
多くの人は「本当か?」「さすがに盛りすぎでは?」と感じるはずです。
ただ、このニュースは
ビットコインの将来価格を断定する話ではありません。
どんな前提を置いたときに、この数字が導かれたのか。
そこに目を向けないと、
このニュースは正しく読めません。
これを独自のジャーナリズムで解説します。
ビットコインは2050年までに290万ドル到達可能か VanEckが3つのシナリオを分析 2026年1月14日
CoinPost
https://coinpost.jp/?p=680616
資産運用大手のVanEckは、2026年1月8日、ビットコインの長期的な市場分析レポートを公開した。
レポートでは、2050年までの約25年間を想定し、複数の条件を置いた価格シナリオを提示している。
基本シナリオでは、ビットコインの価格が2050年までに1BTCあたり290万ドルに到達すると試算された。
これは、国際商取引の決済手段として5〜10%でビットコインが利用され、
中央銀行がバランスシートの約2.5%をビットコインで保有することを前提としている。
このシナリオにおける年平均成長率(CAGR)は15%とされている。
一方、強気シナリオでは、国際商取引での利用率が20%に達し、
ビットコインが金(ゴールド)と並ぶ、あるいはそれ以上の主要準備資産として扱われることを想定。
この場合、価格は2050年に5,340万ドルに到達する可能性があるとした。
逆に、弱気シナリオでは、国際商取引での利用が進まず、
価格は13万ドル程度にとどまると分析している。
同社は、ビットコインのリターンを押し上げる主な要因として、
法定通貨の供給量増加と、それに伴う法定通貨価値の低下を挙げている。
リスク要因としては、規制の制約や国際決済における障壁を指摘している。
長期価格予測は「将来の値段」ではなく「通貨の前提」を示している
この出来事はこう解釈してください。
今回のレポートが語っているのは、
「ビットコインが特別な理由で何倍にもなる」という話ではありません。
前提に置かれているのは、
25年という時間の中で、法定通貨の価値がどれくらい残るのか という問いです。
レポートでは、
年平均6〜7%程度のインフレが続くシナリオを想定しています。
この水準が25年続くと、
通貨の購買力はおよそ 80%下落 します。
つまり、
いま1万円で買えているものが、
25年後には体感的に2,000円程度の価値になる計算です。
この前提に立つと、
「1BTC=約4.6億円」という数字は、
過剰な楽観というより、尺度の変化を数値化した結果 に近くなります。
重要なのは、
ビットコインの価格が上がるかどうかではなく、
円やドルで“測る”という行為自体が、どこまで信頼できるか という点です。
ただし、
この前提がそのまま現実になるかどうかは、
金融政策や社会状況によって大きく左右されます。
注意が必要です。
数字よりも先に、基準が揺れていることに気づけるか
1ビットコインが4.6億円という数字が目立ちます。
ただ、この話は価格予想そのものではありません。
もし法定通貨の価値が25年で大きく下がる前提なら、
「老後2,000万円」という基準自体が成り立たなくなります。
ニュースは、必ずしもすべてが正確とは限りません。
また、誰が発言しているかによって、同じ事実でも意味は大きく変わります。
そもそもニュースは、出来事の「一部」しか切り取って発信されないものです。
だからこそ、ニュースだけを材料に未来を断定すると、判断を誤りやすくなります。
ただし、ニュースそのものが無価値なのではありません。
読み手が、まだ読み方を知らないだけです。
無知は無能ではありません。
ニュースの構造や背景を意識して読み解く練習を重ねれば、誰でも「今の情報」から「これから起きる流れ」を捉えられるようになります。
このメディアでは、そのための視点と考え方を伝えていきます。



























