今日では「マネックスグループによるコインチェックの買収」が巷で話題になっています。
コインチェックは皆さんご存知、NEM流出事件で暗号資産業界に大きな影響を与えた企業です。
今回はマネックスグループの目的と、彼らの今後の展望について考察していきたいと思います。
手数料で大儲け?!コインチェックを買収するメリット!!
マネックスが同社を買収した理由は、その取引仲介マージンの厚さにあるとされる。コインチェックで取引をする際の手数料は、最大で取引金額の10%程度に達する。
引用元:Business Journal
マネックス、コインチェック買収の裏の狙い…「再建」が目的ではない(2018年4月10日より)
この度オンライン証券を中心に事業展開をしているマネックスグループが、コインチェックを買収しました。
あまり知られていませんが、実はマネックスはアメリカ進出に失敗し、ここ数年は思うような利益を生み出せていませんでした。
また同業他社との価格競争に後れを取っており、特に手数料収入の低さを見直す必要がありました。
そんな矢先に 取引手数料の高い暗号資産関連企業であるコインチェックで問題が起き、マネックスがその力を欲していた …これが今回のアクションにおける事の始まりであると言われています。
確かに管理体制さえ強化すれば一見利益を生み出せそうに思えますが、実際のところはどうなのでしょうか。
マネックスの真の狙い!!フィンテック業界への参入
マネックスの狙いのなかで最も重要と思われるのが、フィンテックビジネスの強化だ。具体的には、ITテクノロジーに精通し、コインチェックのシステムを構築してきた専門家を自社内に取り込み、今後の競争への対応力をつけることが考えられる。
今日、従来の金融ビジネスとITを融合したフィンテックのビジネスを重視する金融機関経営者が増えている。引用元:Business Journal
マネックス、コインチェック買収の裏の狙い…「再建」が目的ではない(2018年4月10日より)
先ほどの項で述べた内容ももちろんメリットとして挙げられますが、実はマネックスの真の狙いはフィンテック業界へ参入することであると言われています。
事実、海外でもほとんどの金融企業がフィンテックに関心を持ちIT技術を導入するほどに、今や企業が生き残っていくためにはフィンテック分野での成長が欠かせないものとなっています。
その点 コインチェックは優れたITエンジニアに恵まれているので、彼らの力を借りてフィンテックの分野に進出できるという点は大きなメリットである と言えるでしょう。
NEM流出事件、無視できない多大なリスク
「警視庁の最終ターゲットはコインチェックの経営陣」(捜査関係者)といわれている。(中略)顧客との訴訟も抱えており、仮に賠償となれば100億円単位の損失が出る。200億円という観測もある。どこまでリスクが拡大するのか、まったく予測できない。
「コインチェックは訴訟を抱え、金融庁の登録業者でもない企業。上場企業の常識からすれば、買収は相当なリスク。手を挙げる企業は限られる」(暗号資産登録業者)
引用元:Business Journal
マネックス、コインチェック買収で抱え込んだ「爆弾」(2018年4月14日より)
マネックスは36億円でコインチェックを買収しました。
一見これまでに述べたメリットから見ると、この額は安価なように思えますが、実はそうではありません。
コインチェックにおけるNEM流出事件の捜査は未だ続行しており、更に顧客との訴訟の問題も抱えています。
つまりこの捜査の結果によっては、莫大な額の損害賠償請求を支払わなければならないといった悲惨な状況が生まれる可能性もあるのです。
またマネックスは追加買収額として、コインチェックの3年間の当期純利益の半分相当額から訴訟費用等を差し引いた額を支払うといった契約を交わしており、これまでの情報を踏まえても、 今回のアクションにおいて決してリスクは軽いとは言えない でしょう。
最大の敵は金融庁?!管理の強化は必須事項!!
4月6日、金融庁はさらに3社を行政処分すると発表した。2社に改正資金決済法に基づく業務停止命令、1社に業務改善命令を出した。処分されたのはいずれも、みなし業者。一斉処分は3月8日に続き2回目。すでに撤退を決めている上記3社に加えて、合計6社が6日までに暗号資産交換業から撤退を決めたことも明らかにした。
今後も金融庁は、ずさんな管理で問題が発生した業者は市場から強制的に退出させる方針だ。金融庁が次に打つ手は再編だろう。
引用元:Business Journal
マネックス、コインチェック買収で抱え込んだ「爆弾」(2018年4月14日より)
また、マネックスがコインチェックを買収した日と同日に、金融庁は暗号資産交換業におけるみなし業者3社を強制撤退させるといった発表を行いました。
実は類似の発表は先月にも行われており、今後もこのような問題が発生するたびに金融庁は容赦なく暗号資産交換業社を公開処刑していくと考えられます。
もちろんマネックスも金融庁に目をつけられている企業に該当するので、この先ひと時も油断できないでしょう。
この金融庁の発表に対抗するかのように マネックスはコインチェックの管理体制を強化する方針を掲げていますが、逆にそれを行わない限りは確実にマネックスに未来はない と言えるのではないでしょうか。
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