米リップル 3Qマーケットレポート 公開
米リップル社は2022年3Q(第3四半期)における暗号資産(仮想通貨)XRP(リップル)のマーケットレポートを27日に公開し、以下の3点を強調した。
まず一点目はリップル社によるXRP保有量が総供給量の50%を初めて下回ったことを挙げ、XRP所有量の多さから指摘されていた分散型台帳「XRP Ledger(XRPL)」の操作疑惑に対してより多くの顧客が決済フローでXRPを使用していると述べた。
二点目はリップル社のXRP販売総額が3.1億ドル(前期比-9,200万ドル)となり、3四半期連続のXRP売上高の増加傾向となった要因として、世界的なODL事業の成長をあげた。
三点目はXRPベースの決済ソリューション「ODL」(オンデマンド・リクィディティ=流動性)がブラジル-メキシコ間で稼働することを発表し、ラテンアメリカ(LATAM)開拓の重要なくさび(アンカー)になると伝えた。
リップル社3Qレポート「XRP保有割合が流通量全体の50%を初めて下回る」
COIN POST
3Qレポートから見えるリップルの状況とは
リップル社が2022年3Qレポートを発表しました。その中でリップル社のXRP保有割合が話題になっておりますので解説します。
まず、基本的には仮想通貨プロジェクトは売上の開示などを行っていないことが多いです。リップル社は2017年から四半期ごとにレポートを開示しております。このように開示情報が多いのが、投資家に歓迎されている要因の一つです。
話を2022年3Qのレポートに戻します。一つの目標にしていたリップル社の保有するXRP割合50%以下が無事に達成されました。これによりリップル社はXRPがマーケティングで作られた需要ではなく実際に経済の中で価値を発揮している証明になると発言をしております。
もちろんその通りだと思います。いま一度皆さんが保有している仮想通貨の分散化率を調べてみてください。コインマーケットキャップでも情報が開示されております。多くの仮想通貨のプロジェクトがリップルほど分散化されておりません。
分散化できていないということはそのプロジェクトが達成しようとしている目的は絵に描いた餅ということです。実は仮想通貨のプロジェクトは時価総額が大きいほど分散化ができていて、時価総額が小さいほど分散化ができておりません。
アルトコインに投資をしている方は注意が必要です。また、リップル社の売り上げには保有しているXRPの売却益が一部あります。もちろんこの情報も開示しております。
リップル社がXRPを売り続けるからXRPの価格は上がらないと誤解をしている方も多いです。2022年3QのXRPの売却益はわずか3億ドルです。これは毎期右肩下がりです。
XRPの全体流動性で考えると0.4%程度となります。リップル社の商品が十分に揃っていない時はXRPの売却益の大半を占めておりましたが、昨今のリップル社は潤沢な商品があり、XRPの売却益に頼る必要はありません。
リップル社が保有しているXRPは基本ロックがかかっており、毎月10億XRPずつ解除されますが、その7割以上を再度ロックをかけております。
リップル社が力を入れる商材の一つにNFTがあります。2022年3Qのレポートでは多くの割合をNFTに関する情報に割いております。リップル社は大手ファッションブランドと組んでNFTビジネスを展開しております。
リップル社のXRPの売り圧はほとんどなくなり、NFTビジネスに積極的に力を入れているという最新の情報をしっかりと受け取れておりましたでしょうか?
暗号資産業界は業界改革のスピードも早く、ここのプロジェクトが大きく方向転換をすることもしょっちゅうおきます。自分が保有している銘柄、自分がポートフォリオに組み込まなかった銘柄はいま何をしているか?をしっかりと追うようにしましょう。
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