仮想通貨を手に入れるには取引所で交換する以外に「マイニング」という方法があります。
マイニングは安定的に仮想通貨を手に入れることができるため、マイニングで莫大な利益をあげる企業も立ち上がっています。
今回はマイニングに関してWeb3専門メディアである「コインオタク」がマイニングの仕組みや実際のやり方、種類など徹底解説していきます。
短い時間で簡単に知りたい方は「第1章:ビットコインマイニング入門」(所要時間1分)だけで簡単に理解できます!忙しい方向けです。
終盤ではマイニングの詳細な種類や環境への影響、今後のマイニング市場に関して解説しているので、ぜひ最後までお読みください!
仮想通貨マイニング入門(忙しい人向け)
マイニングを全く知らない人がイメージしやすいように仮想通貨マイニングを、金鉱を掘ることに例えて説明します。
金の採掘者が地中の金を探し、専用の機器を使って取り出すように、仮想通貨のマイニングは強力なコンピューターを使って複雑なアルゴリズムを解くことで、ビットコインなどの仮想通貨を探し出し、取り出します。
ビットコインをはじめとする仮想通貨は、市場で出回っている以外にブロックチェーン(金鉱)から取り出せるものがあり、この取り出す作業のことをマイニングと呼びます。
しかし、金の採掘と同様に、仮想通貨の採掘も、採掘する資源(金や仮想通貨)が限られているため、採掘に必要な設備やエネルギーのコストが高く、競争が激化してしまいます。(ビットコインなど、高価な仮想通貨のマイニングはすでに競争が激化しています。)
しかし、採掘者が仮想通貨の採掘に成功すれば、金をお金に換えるのと同じように、仮想通貨を現実の通貨に換えることができるのです。
では、仮想通貨マイニングは実際どういう作業なのかというと、コンピュータの力を使ってブロックチェーン上の複雑な数学的問題を解くことで、新しい仮想通貨を作り出しています。(詳細な原理は次の章で説明します!)
しかし、この作業はかなりの計算能力を必要とするため、専用のハードウェアとソフトウェアが必要になります。
さらに、より多くのマイナー(マイニングをする人)がネットワークに参加し、より多くの仮想通貨が採掘されれば、解くべき数学的問題はますます難しくなり、新しい仮想通貨の採掘はより困難なものとなっていきます。
コンピューターの質が高く量が多い人がたくさんマイニングできるため、資本力勝負となり競争が激化する要因になるのです。
マイニングのイメージは持てましたか?
次の章ではマイニングの仕組みに関して詳しく説明します。
仮想通貨マイニングのしくみ
前述したように、ビットコインのマイニングとは、複雑な数学的問題を解くことによって、新しい仮想通貨を生み出すプロセスです。マイナー(採掘者)は、「ハッシュ関数」と呼ばれるこれらの問題を解くために、特別なソフトウェアを使用します。マイナー(採掘者)が問題を解くと、ビットコインのネットワーク上で最近行われたすべての取引情報を含む「ブロック」が作成されます。このブロックは、ブロックチェーンに追加され、取引の永久的かつ変更不可能な記録を作成します。
最初に問題を解いたマイナーには、一定数の新しい仮想通貨と、ブロック内の取引に関連する取引手数料が報酬として与えられます。このようにして、新しい仮想通貨が生まれ、それがまた取引所で交換されていきます。
現在、ビットコインだと一回のマイニングで6.25ビットコイン(2023年2月時点)を報酬として受け取ることができちゃいます。
マイニングをすればタダで仮想通貨がもらえるの?!とウキウキした人も多いでしょう。
しかし仮想通貨のマイニングは簡単ではありません。解決しなければならない数学的問題は非常に複雑で、多くの計算能力を必要とします。そのため、マイナー(採掘者)はマイニングをしたい仮想通貨に特化したハードウェアを購入して使わなければならないのです。(ビットコインにはASIC)
次の章ではマイニングに必要なコンピューターについて説明していきます。
マイニングに必要なハードウェアとソフトウェア
専用のコンピューターを揃えてでも、マイニングがしたい!という方に向けて、マイニングに必要なコンピューターの説明をします。
まず、マイニングには専用のハードウェアとソフトウェアが必要です。
ハードウェアはマイニングをしたい仮想通貨によって異なり、ビットコインにはASIC、イーサリアムにはPolarisアーキテクチャが代表的です。
マイニングに使用されるソフトウェアもまた、特殊なものとなります。
マイナーは特定のソフトウェアを使用して、ハードウェアをビットコインのネットワークに接続し、数学的問題を解くプロセスを開始します。また、このソフトウェアにより、進捗状況の確認、報酬の追跡、設定の調整も可能です。
マイニングに使用するソフトウェアは、使用するハードウェアによって異なる可能性があるため、事前に互換性を確認することが重要です。
これらのコンピューターが家庭用のものではないため、ハードウェアとソフトウェアにかかる費用は非常に大きく、マイニングに投資する前に費用対効果を検討することが重要です。
また、初期費用だけでなく電気代や冷却費、メンテナンス費などの固定費もかさみます。
これらの膨大な手間と費用を差し引いてもマイニングは利益を出すことができるため、ここ数年で 大量のマイニング設備(ファーム)を使って莫大な利益を出す企業が世界中で現れています。
ではなぜ仮想通貨の価値が下がらないのでしょうか?
仮想通貨自体、価格変動は大きいものですが、無限にマイニングできてしまうと価値は下がるはずです。
次の章ではマイニングの報酬システムの仕組みを解説します。
マイニングの報酬システム
前章で説明したようにマイニングが無限にできてしまうと、仮想通貨の価値は下がってしまいます。それでは仮想通貨を作ったそもそもの意味がありません。
そうならないために、実はマイニングはより多くのマイナー(採掘者)が競って問題を解くようになると、問題自体もより複雑になり、解くのが難しくなるように設計されています。
こうすることで新しい仮想通貨があまりに早く作られないようにし、仮想通貨の供給量がコントロールされているのです。
特にマイニングが盛んなビットコインは採掘難易度(ディフィカルティー)が設定されていて、現在、採掘難易度が2016ブロックごと(約2週間ごと)に調整され、新しいビットコインが早く作られすぎないように、ビットコインの供給がコントロールされています。
これらの調整システムがありながらも、マイニングの参加者は年々増加し、ここ数年ではマイニングをビジネスにする企業が多く現れています。マイニングの効率はコンピューターの質と量に依存するため、個人のマイナーが利益を上げることが非常に難しくなりました。
次の章ではマイニングの種類を紹介し、個人のマイナーが利益をあげれる方法を解説しています。
個人が利益をあげれるマイニングの種類とは
では個人でマイニングして収益を上げることはできないのでしょうか?
答えはできます!
この章ではマイニングの種類を一般的なものから個人でも収益が上がるようなリソースを結合し、報酬を共有するものまでさまざまなマイニング手法を説明します。
ソロマイニング(一般的なもの)
これは、個人のマイナーや企業が自分のハードウェアとソフトウェアを使用してマイニングをする方法です。このタイプのマイニングでは、最大の報酬を得られる可能性がありますが、マイナーがすべてのコストと報酬の可能性に単独で責任を負うため、最大のリスクも伴います。資金力があるほとんどの企業はこの方法を採用しています。
プールマイニング
マイナーのグループが集まり、リソースをプールして報酬を共有する方法です。マイニングプールに参加することで、問題を解決して報酬を得る可能性が高まりますが、報酬はプール内の全マイナーで分配されます。
クラウドマイニング
個人が企業からマイニング用のハードウェアとソフトウェアを購入またはレンタルし、それを使ってビットコインをマイニングをする方法です。このタイプのマイニングは、ソロマイニングよりもリスクが低いですが、報酬も一般的に低くなっています。
リモートホスティング
クラウドマイニングの一種で、ハードウェアをレンタルする代わりに、遠隔地のマイニング施設の利用を借用します。
ハードウェアのリース
クラウドマイニングの一種で、採掘者が一定期間、採掘用ハードウェアをレンタルまたはリースするものです。
それぞれのマイニング方法にはコストや報酬があるため、よく検討した上で採掘方法を決定することが重要です。
クラウドマイニングとプールマイニング
この章では個人でも収益が見込めるクラウドマイニングとプールマイニングを比較して、それぞれの特徴やメリットデメリットを説明していきます。
クラウドマイニングとは、個人がマイニング用のハードウェアやソフトウェアを企業から購入またはレンタルし、それを使ってビットコインを採掘するマイニングの一種です。
このため、個人は自分でハードウェアを購入したり、メンテナンスしたりすることなく、ビットコインの採掘を行うことができます。その代わり、企業にお金を払って、その企業のハードウェアとソフトウェアを使って採掘してもらうのです。
一方、プールマイニングは、採掘者のグループが集まり、リソースをプールして報酬を共有する採掘の一種です。マイニングプールに参加することで、マイナーは問題を解決して報酬を得る確率を高めることができますが、報酬はプール内の全マイナーで分配されることにもなります。
クラウドマイニングとプールマイニングのどちらにも、それぞれメリットとデメリットがあります。クラウドマイニングは、ハードウェアやソフトウェアに投資したくない個人にとって良い選択肢となりますが、ソロマイニングに比べて報酬が低くなる可能性があります。一方、プールマイニングは、報酬を得る可能性を高めることができますが、報酬はプール内のすべてのマイナーで分配されます。
クラウドマイニングとプールマイニングのコスト、潜在的な報酬、リスクについて慎重に調査・検討し、どちらの選択肢を取るか決定することが重要です。
マイニングの環境的影響
この章ではマイニングの環境的影響を説明します。
まずマイニングには、数学的問題を解くための特殊なハードウェアに電力を供給するため、大量のエネルギーが必要です。
このエネルギー消費により、マイニングが環境に与える影響が懸念されているのです。
ビットコインの採掘には大量の計算パワーが必要ですが、このパワーは通常、石炭、天然ガス、石油などの化石燃料を燃焼させることで生成されます。これは、温室効果ガスの排出につながるだけでなく、天然資源の枯渇にもつながります。
さらに、エネルギー消費量が多いため、カーボンフットプリントも大きくなり、環境に悪影響を与える可能性があります。
しかし、企業や鉱業者の中には、二酸化炭素排出量を削減するために、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用するところも出てきています。
また、よりエネルギー効率の高いASIC(特定用途向け集積回路)の使用など、一部の技術の進歩は、マイニングによる環境への影響を軽減するのに役立つ可能性があります。
マイニングが環境に与える影響は複雑な問題であり、明確なイメージを持つためには、ネットワーク全体のエネルギー消費量とカーボンフットプリントを考慮することが重要であることに注意してください。
仮想通貨マイニングの未来
最後に今後のマイニング業界がどうなるかを説明します
前提として、マイニングの将来は不確実であり、技術の進歩、政府の規制、仮想通貨の全体的な需要など、多くの要因に左右されます。
マイニングの将来に影響を与える可能性の1つは、マイニングの難易度の上昇です。
ネットワークに参加するマイナーが増えれば増えるほど、解決しなければならない数学的問題はより複雑になり、マイニングはより困難かつ高価になります。このため、採掘者の数が減少し、マイニング業界の統合が進んでいくと言われています。
もう一つの可能性は、マイニングに再生可能なエネルギー源を使用するようになることです。マイニングが環境に与える影響への懸念が高まるにつれ、二酸化炭素排出量を削減するために再生可能なエネルギー源を利用するマイニング業者が増えるかもしれません。
また、エネルギー効率に優れたASICの開発など、テクノロジーの進歩も、マイニングの将来において重要な役割を果たす可能性があります。これにより、エネルギー消費量とコストが削減され、採掘の収益性が向上する可能性があります。
最後に、政府の規制もマイニングの将来に影響を与える可能性があります。すでに一部の国では、マイニングに関する規制が始まっており、今後さらに多くの規制が実施される可能性があります。
マイニングの業界は変化が激しい発展途上の業界なので、マイニングに興味ある方や実際に始めたい方は積極的に最新動向を取り入れて行くべきでしょう。
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