暗号通貨業界の主要投資家が出資
Web3データのゲーミフィケーションにフォーカスするPhiが、18日にシードラウンドで約2.68億円(200万ドル)の資金調達を実施したことを発表しました。
Chapter OneとDelphi Digitalがリードインベスターを務め、ポリゴンベンチャーズをはじめとする暗号資産業界の主要な開発者や起業家がフォロー投資家として参加しました。Stani Kulechov氏(DeFiレンディングプラットフォームAaveの創設者)、ライアン・ショーン・アダムス氏(バンクレスの共同創設者)、井上真氏(ENSのコア開発者)など、主要な名前が含まれます。
Phiは、ウォレットの利用状況を可視化し、オンチェーンアイデンティティの形成とゲーム化に取り組むプロジェクトで、ブロックチェーン内外の両方のデータを対象とします。Phiは、ポリゴンでメインネットローンチされ、Phi QuestとPhi Landの2つのプロダクトがあります。
Phi Questでは、外部プロトコルと連携して様々なクエストに取り組み、クリアするとオブジェクトを獲得できます。一方、Phi Landでは、ユーザーが所有するENSドメインから自分の土地を作成し、クエスト&ショップで手に入るオブジェや画像、フロアなどのゲーム内アイテムを置くことで、ウォレット活動に基づいた自分だけのWeb3スペースを構築できます。
Web3データのゲーミフィケーション「Phi」、シードラウンドで約2.7億円を調達
COIN POST
「ゲーム」と「ゲーミフィケーション」の違いとは?
ただいまWEB3.0の業界では「ゲーム」なのか「ゲーミフィケーション」なのか議論になっております。伊藤は「ゲーミフィケーション」派なので解説します。
ゲームとはそのまま遊戯・娯楽の意味です。成果物はありません。プレイに達成感や満足感があればそれでOKです。ゲーミフィケーションとは必ず成果物があります。遊戯・娯楽をしながら成果物が得られるので、この時点でゲームよりも価値があると判断しております。
例えば、Duolingoというアプリはキャラクターを育成しながら言語学習ができます。目的は娯楽よりも成果物に寄ってます。
Folditというサービスはタンパク質の構造をコンピューターの計算ではなく、ゲームをする人間によるプレイで解明するという斬新な取り組みです。ゲームユーザーはタンパク質の構造を知りたいわけではなく、ゲームをしているだけなのでプレイヤーと成果物が直接利害関係がなくてもゲーミフィケーションが成り立つ良い事例です。
ちなみにFolditはコンピューター計算よりも人間のプレイの方が短期間で構造を解析できるということを証明しております。
WEB3.0の業界はGameFiがブームの兆しが見えております。GameFiとはゲームをしながら稼ぐというゲーミフィケーションなのですが、実態はほぼゲームであり、成果物は仮想通貨でしかありません。
もちろん、金銭的に得をする人もいるでしょうが少しゲーム要素が強すぎると感じます。一世を風靡したSTEPNはゲームではなくゲーミフィケーションです。成果物は仮想通貨ではなく、健康や運動習慣となります。
Move to earnがブームだ!となりましたが、別に成果物は運動習慣である必要はありません。仮想通貨以外に何かしらの成果物が示れば良いのですが、大体のゲームプロジェクトが良い成果物を提示できないまま今に至っております。
ニュース記事では「Phi」というプロジェクトが取り上げられておりますが、この「Phi」が目指しているサービスがいまWEB3.0市場ではブームになっております。競合もたくさんいるので調べてみてください。「Phi」が提供している成果物はブロックチェーンの知識と経験です。
知識と経験が可視化されるとどんなメリットがあるのでしょうか。それは、信頼や評価につながります。ブロックチェーンが信用経済を作りましたが、ブロックチェーンの利用履歴が公開されることで信用経済内での信用が高まります。
社会では効率を良くするために学歴を重視したり、資格を重視したりしますが、ブロックチェーン信用経済では利用履歴が同じような役割を果たします。
STEPNで世界TOP10位のプレイヤーと言われれば、きっととてつもなく健康なアスリートだろうなと予想がつきますが、Phiの世界TOP10位のプレイヤーと言われればWEB3.0にとても詳しい人だという評価になります。
GameFiブームで金銭的メリットだけでプレイするゲームを選んでいる人が多いですが、あくまでそれはインセンティブに過ぎず、メインは成果物となります。自分が何の成果物を目的に時間を割いているのか一度振り返りをしてみてください。
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