日本政府、仮想通貨のマネロン防止へ
日本政府はマネーロンダリングの防止策として暗号資産(仮想通貨)交換業者にユーザー情報の業者間共有を義務付け、資金移動追跡を可能にさせる新たな送金ルールを来年春を目処に導入を検討していることがわかった。
今回の法改正はFATF(金融活動作業部会)が提唱するトラベルルール(マネロン等防止のための国際的な電信送金に関するルール)の影響を受けているとみられる。昨年8月にFATFが公表した仮想通貨を含めた第4次対日相互審査報告書では、日本は実質的に不合格とされ、取引モニタリングの実施、資産凍結措置、継続的な顧客管理などが今後優先的に取り組むべき課題とされた。今回の法改正だけでなく、昨年12月に金融庁から出された日本暗号資産取引業協会(JVCEA)への警告もトラベルルールを背景としている。
日本政府、仮想通貨交換業者に新たな送金ルール導入へ マネロン対策を徹底=日経
COIN POST
自由な仮想通貨市場に向けて規制に従おう
トラベルルールという国際送金規制が2022年10月1日より日本でも本格稼働しております。
しかし、規制対象とされていた多くの国内仮想通貨取引所は10月1日のタイミングをスルーして、特に何か発表をしたわけではありません。
取引所利用者は10月1日から何が変わるのか?をずっと待っていたのですが、結果何も変わらないという状況で今に至っております。
日本政府はこの国内取引所の対応を問題視し、トラベルルールとは別に新しい規制を設ける検討を始めました。
それが今回ニュースになった「犯罪収益移転防止法の改正案」です。
トラベルルールと改正案について解説をします。
基本的には普通に取引所を利用している方を制限するものではありません。
犯罪、テロ資金供与を取り締まる内容となります。海外取引所を利用すること自体が犯罪ではありません。海外取引所を利用した犯罪が増加する場合は、業界団体の日本暗号資産取引業協会(JVCEA)としても海外取引所への資金の送金を止めるという判断がされる可能性があります。
2022年10月時点では海外取引所は自由に利用することが可能です。しかし、一般の方もこの法律に触れてしまう可能性があります。それが仮想通貨売買益に掛かる税金の脱税です。
海外取引所を利用することにより売買履歴が取得不明になったり、複雑な仮想通貨のやりとりにより納税金額を間違えたりする可能性があります。税申告の難しさを言い訳に納税をしない投資家が多いのも事実です。伊藤の体感ですが、国内取引所だけを利用している投資家よりも海外取引所も利用している投資家の方が脱税をしている率が高い印象です。
この状況が続けば、2023年には海外取引所は利用できなくなるという規制になるでしょう。規制に対して、規制をする国が間違っているというニュアンスで反発をする方もいますが、この状況を招いたのは投資家側です。海外取引所利用禁止の流れになれば、裏技を探して海外取引所を利用するのではなく、素直に規制に従って国内取引所だけを利用するようにしましょう。
DeFiに関しては海外取引所とは別のカテゴリになる見込みです。しばらくはDeFiは規制されることなく、グレーゾーンとして扱われる可能性があります。DeFiも同様にDeFiユーザーの脱税が相次ぐことになれば法律で規制される流れになります。その市場の利便性は市場参加者の民度で決まります。仮想通貨投資家の民度が低いことは今に始まった事ではありません。仮想通貨市場をもっと自由な環境にするためには、ルールに反発するのではなく、ルールを受け入れるということから始めるましょう。
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この記事を書いた人
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「暗号資産市場の最前線を知る男」として世界中の暗号資産界隈の人脈を持ち、国内外のイベントに引っ張りだこ。
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