バイナンス FTXの買収撤回を発表
大手取引所のバイナンスはFTXへの調査で判明したユーザー資産の管理方法や米規制機関の動向に関する報道を理由として、FTXの支援は不可能という判断から、10日に買収の取りやめを発表した。
As a result of corporate due diligence, as well as the latest news reports regarding mishandled customer funds and alleged US agency investigations, we have decided that we will not pursue the potential acquisition of https://t.co/FQ3MIG381f.
— Binance (@binance) November 9, 2022
バイナンスは、最終的に被害をうけるFTXユーザーについて懸念しつつ、仮想通貨市場全体の新陳代謝が進むことに関して前向きな意見を述べた。
さらにバイナンスCEOのチャンポン・ジャオ(CZ)氏は社内に向けて以下の5点を述べていたことがわかっている。
・今回の買収は事前に計画していたことではない。FTXの状態は私はほとんど知らなかった。
・FTXの調査はまだ継続中であり、FTTトークンの取引はしないで欲しい。
・買収について、社内でもコメントしてはいけない。
・FTXの財務危機は「我々の勝利」ではない。ユーザーの信頼は揺らいでおり、規制が厳しくなる可能性がある。
・仮想通貨の価格は気にせず、プロダクトの開発を継続して欲しい。
In the spirit of transparency, might as well share the actual note, sent to all Binance team globally a few hours ago.https://t.co/IUNkPcLC8T pic.twitter.com/XGlIJB7EV5
— CZ 🔶 Binance (@cz_binance) November 9, 2022
COIN POST
再び冬の時代へ今後の未来を予測
連日、FTX関する話題で仮想通貨界隈が盛り上がっております。いよいよ仮想通貨冬の時代が明けると思われていたタイミングで、最悪なニュースが市場に流れました。
仮想通貨の市場はいつも誰かの助けで様々な困難をギリギリを回避してきましたが今回ばかりはその助け舟も期待が持てないようです。まるで2009年のリーマンショックを彷彿とさせます。
今の現状と近い将来どうなるのかを伊藤なりの見解で解説します。仮想通貨取引所や仮想通貨プロジェクトが債務超過に陥ることはよくあります。それだけまだ市場は未成熟といえます。債務超過の原因は「ハッキング被害」「相場転換による投資失敗」「不正・持ち逃げ」のいずれかです。中小規模であれば理由に関わらず救済された事例が多いです。
日本の取引所もハッキング被害のあとはだいたい助け合いの精神でなんとかなってきました。今回は業界NO.3の大手取引所であることと原因が経営者の不正という点で救済される可能性が低かったです。
しかし、天下の最大手取引所バイナンスが助ける検討を始めました。市場はあまりにも素早いバイナンスの行動に対して『バイナンスが今回のトラブルを仕掛けた張本人じゃ無いか?』と疑いの目を向け始めました。CEOのCZ氏はそう見られることも含めて救済の手を差し伸べていました。CZごめんなさい。1日かけて調査をした結果、あまりにも負債額が大きいため救済は不可という判断がなされました。
この後の流れは『FTX社の倒産』『FTXJapanの事業撤退』『FTXの出資で回っていたプロジェクトの低迷』『仮想通貨冬の時代が長引くことによる中小規模取引所の撤退』となります。
FTXを利用していた顧客は資金が凍結しておりお金を引き出すことができません。訴訟に発展する見込みです。訴訟してもお金は返ってきませんが。
その影響で日本以外の各国の仮想通貨事業の法規制強化。その『規制に耐えられないプロジェクト・取引所の撤退』ということで、2023年は仮想通貨プロジェクトも仮想通貨取引所も大体半分ぐらいになると思います。
スッキリして個人的には良い傾向だと思います。相場がポジティブであればベンチャー企業にもチャンスが巡りますが、相場が真冬の状況で体力のない事業が続く見込みは皆無です。
ネガティブな話に見えますが、長期展望で言うととてもポジティブです。大手取引所・メジャー銘柄だけが生き残れば投資家としても判断が楽ですし、資金が集中するのでリスクは低くなります。市場は拡大と縮小を繰り返しながら大きくなりますので、2022年にグッと小さくなった反動が2023年、2024年に解放されることを期待しております。
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