みなさんご存知のように、暗号資産業界においてアジアの勢いはとどまるところを知りません。
…と言いたいところですが、実は今日ではアジアを代表する暗号資産交換業社が次々と拠点をアジア圏外に移転しているのです。
今回は、暗号資産交換業者のアジア撤退について考察していきたいと思います。
世界有数の交換所Binanceが本拠地をマルタへ移転!!
Binanceは、本社をマルタ共和国に移転することを発表した。(中略)
マルタ金融当局のデジタルエコノミー・イノベーションの議会秘書官Silvio Schembri氏はバイナンスの存在がマルタをブロックシャインアイランドに進化させると強調した。
引用元:クリプトカレンシーマガジン
世界最大の暗号通貨取引所バイナンスは本拠地をマルタに移転。首相も歓迎する(2018年3月26日より)
ひと月ほど前に、約120種類ものコインと交換可能でついに登録者数500万人以上を突破した世界トップレベルの交換業者Binanceが本拠地を香港からマルタに移転しました。
では、何故彼らはマルタへ移転したのでしょうか?
まずマルタ共和国とはイタリアの下部に存在する人口40万人ほどの小さな島国です。一見あまり魅力がないように思えますが、実はブロックチェーン技術に対して寛容な面があり、かつ財政も安定しているのです。
こういった点から マルタは暗号資産交換業の開拓地としてはうってつけである と言えるのではないでしょうか。
事実、マルタの首相も自国の発展に大きく貢献するであろうBinanceの業界参入を大歓迎しているようです。
Bitfinexまでもが香港を捨て、スイスへと移転?!
香港に拠点を置く世界最大の暗号通貨取引所の一つであるBitfinexはスイスに移転、またスイス当局との交渉がすでに存在することを報告した。
handelszeitung.chはBitfinexの役員とスイスの国際財務事務局との間に数回の会合がすでに開催されていると報じている。
引用元:クリプトカレンシーマガジン
世界最大の暗号通貨取引所の一つBitfinexはスイスに移転。大手取引所が次々とアジアから撤退(2018年3月30日より)
次にBitfinexまでもが香港を撤退し、スイスへと移転すると発表しました。
2013年に設立したBitfinexは約120BTCを盗難された過去を持ちますが、現在もなおトップランカーを走り続けている企業です。
そしてスイスは今年2月に、 ICOで発行されるトークンを、決済トークン・ユーティリティトークン・資産トークンという3つのカテゴリーに分類し、それぞれに適用する法律を定める と発表しています。
つまり、スイスもマルタと同じくICOや暗号資産に対して寛容であり、暗号資産交換業者にとってはビジネスの拠点としてもってこいの国であると言えます。
逃げ道の確保?!隠された撤退のメリット
Bitfinexは今年1月、多くの取引所で取引されるドル建てのトークンであるテザーを発行するiFinex子会社のTetherとの関係に対して、批判を受けている。BitfinexとTetherは、米国商品先物取引委員会の召喚令状も受け取り、Bitfinexはスイスの規制要件に準拠しているとみられる。
引用元:クリプトカレンシーマガジン
世界最大の暗号通貨取引所の一つBitfinexはスイスに移転。大手取引所が次々とアジアから撤退(2018年3月30日より)
またBitfinexの親会社であるiFinexの法務部門と財務部門もBitfinexの拠点と一緒にスイスに移っているようです。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、実はBitfinexは国際的に取引されるドル建てのトークンであるテザーを不正に発行した疑惑があり、多くの批判を受けています。
しかしBitfinexがスイスに移転することで、スイスの法律の関係により疑惑を拭い去ることが出来るのです。
そしてご丁寧に米国商品先物取引委員会の召喚令状も受け取っているので、もはや批判の目をかいくぐれたも同然なのです。
このように 自社のイメージダウンに繋がる出来事の払拭という目的においても拠点の移転は利用できる のかもしれません。
暗号資産に寛容な欧州に対して、厳しい対応をとるアジア
バイナンスは先週日本の金融庁より改正資金決済法に基づく警告を受けていた。(中略)バイナンスは今月、独自ブロックチェーンとしてBinance Chainの開発を発表し、これが分散型取引所の開発に対する第一歩となるとした。
引用元:クリプトカレンシーマガジン
世界最大の暗号通貨取引所バイナンスは本拠地をマルタに移転。首相も歓迎する(2018年3月26日より)
これまでマルタやスイスに移転するメリットを述べてきましたが、実はアジアに留まり続けるデメリットの方が大きいのではないでしょうか。
というのも、実は先ほど例に挙げたBinanceでも金融庁に無登録で日本での営業を行ったとして警告を受けており、こういった出来事はアジアでは日常茶飯事なのです。
また、アジアでは暗号資産やICOの規制も様々な国で行われており、これも暗号資産関連企業にとっては耳の痛くなるような話でしょう。
暗号資産関連企業に限らず、待遇が悪い国から待遇の良い国に移転するというのは当然の流れだと言えます。
こういった 厳しい対応が続く限り、アジア撤退を計る暗号資産関連企業は後を絶たない のではないでしょうか。
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