あまり再現性があるトレード方法ではないですが、
ビットコインの価格差の大きさと市場が一気に拡大したことによるサービス提供事業者の不備が招いた事象です。
一部始終をまとめました。
アービトラージとは
まず、アービトラージの説明です。
一般的な金融市場でも生じる同一商品の価格差を狙った取引の方法です。
この手法は違法行為ではなく合法 。裁定取引(アービトラージ)とは、同一の価値を持つ商品の一時的な価格差(歪み)が生じた際に、割高なほうを売り、割安なほうを買い、その後、両者の価格差が縮小した時点でそれぞれの反対売買を行うことで利益を獲得しようとする取引のこと。 機関投資家などが、リスクを低くしながら利ざやを稼ぐ際に利用する手法です。
引用:裁定取引/アービトラージ 初めてでもわかりやすい用語集 SMBC日興証券
一般的に言えば当然のことですが、メルカリやYahoo!オークションなどの出品でも見られる手法です。
価格差が開いていることを一番最初に見つけることが必要です。
多くの人が参入すれば価格差はだんだんと縮まり、結果、同一価格になるものです。
ビットコインのアービトラージは国内と海外の価格差で行う
価格差は生じないと思いますか。
もしくは、誰よりも早く価格差を見つけるなんて到底難しいことだと感じますか。
ビットコインの相場では決してそんなことはありません。
1週間のうちにどこかしらの国と国の間で価格差は生じております。
通貨の単位は違いますが、14,753USD(1,674,574円相当)と1,852,070JPY(1,852,070円)では価格差は177,496円開いています。日本円をベースにすれば10%近くの価格差となります。(データは2017年12月8日時点)
実は この価格差はなかなか埋まりません 。
半日くらいは開いたままとなります。
その理由は、海外取引所で換金した現地通貨を国内取引所へ送金し日本円にする作業に一定の時間がかかる点と大きな金額を国際送金した場合、その取引内容をチェックするためにさらに時間がかかる点の二点があげられます。
結果、分かっていても環境が整っていない場合はビットコインのアービトラージを行わないことがあります。
2017年12月9日は国内アービトラージが可能な状況
今回の一番の驚きは、国内取引所間で価格差が生じたことです。
通常国内取引所同士の価格差はユーザーがすぐに発見するためできたとしても価格差が大きく開くことはなく、気が付いた時には価格差が収まっていることも多いです。
今回の価格差が大きく生じた理由はbitflyer(ビットフライヤー)のアクセス過多に起因するものでした。
bitflyer(ビットフライヤー)は利用者も多く、ビットコイン価格が暴騰暴落するなどのアクセスが集中するタイミングでは稀にサーバが不安定になります。
そして、2017年12月9日8時30分頃、公式発表からもある通り、アクセスができない状況になってしまいます。
その時点でビットフライヤーが表示していた価格がそのまま固定し表示されておりました。
この時、コインチェック(coincheck)の価格は以下の通りになっていました。
bitFlyer現物価格:198.6万円 (サーバーストップ価格)
コインチェック価格:183万円(変動あり)
国内の暗号資産取引所間で、 実に15万円程度(価格の8%)の価格差が生じていた のです。
この段階では価格差が生じていてもビットフライヤーは実質サービスを停止していたので
購入したビットコインを売却することができません。
どのようにアービトラージをすればよいのでしょうか。
GMOコインが陥った自社内の価格差
ここで登場するのがGMOコインです。
GMOコインのビットコイン表示価格は、国内の暗号資産取引所であるbitFlyerとCoincheckからデータ取得して生成しているようです。
そのため、GMOコインは自社のサービスにも関わらず、買値の方が安く、売値の方が高く表示されていたようです。
普通にその場面に遭遇しても価格表示が逆になっているな程度で、まさかそんな事態になっていると気づかないかもしれないですね。
その結果、GMOコインで買って売ってを繰り返す人が続出し以下のようなチャートを形成することになりました。
引用:市況かぶ全力2階建 http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65907839.html
アービトラージといえばそうなのですが、システムのバグを突いた取引となります。
では、これは誰が損するのでしょうか?
今回に関しては 全てGMOコインが損を被る ことになりました。
GMOコインはビットコインの販売所となります。
販売所ですので、表示された価格では必ず売買が成立します。
そのため、すべての取引はGMOコインとユーザーとの取引となります。
この取引をしていたユーザーの中には、このアービトラージの結果得た利益はちゃんと出金できるのかと心配をする声もありましたが、
本日現在特に問題になっていないので、無事に換金できたと思われます。
今回はGMOコイン社の一人負けとなります。
今後のアービトラージの可能性
今回のような国内の暗号資産取引所同士のアービトラージはほぼ生じないと考えられます。
生じたらツイッターでお祭り騒ぎになるので、常にツイッターはチェックをしていた方が良いさそうです。
今後も有効になるのは、海外と国内のビットコインの価格差を狙ったアービトラージです。
コインオタクでは、現在アービトラージが一番行いやすい国を調査中です。
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