運営、技術、ガバナンス、法におけるDAOの課題
世界経済フォーラム(WEF)は、自律分散型組織(DAO)に関する報告書を発表し、すべてのDAOに適用される成功法則を提示することは難しいとした上で、運営、技術、ガバナンス、法の面で多くのDAOが直面する共通した課題ついての提言を述べた。
DAOの資産価値は2021年だけでも3億8000万ドルから160億ドルに増加し、参加者数は1万3000人から160万人に130倍に増加している。
提言では、DAOの明確なミッションとビジョンの確立、それに応じた構造の構築、経営権の譲渡方法の法的検討、教育担当のワーキンググループの設置、特定のテーマに絞った活動、貢献者への報酬制度、調整を行う管理者の選任などが挙げられています。
さらに、DAOはメンバー1人につき1票の投票権を認め、参加者がガバナンス案を精査しコメントする期間を設け、どの法律を遵守すべきかを評価し、適切な政策と法的枠組みを確立し、可能な法的形態を検討することも重要と述べている。
COIN POST
DAOの発展による影響を解説
世の中が大きく変わる過渡期です。世界経済フォーラム(World Economic Forum)で日本のDAOに関する取り組みについて発表がありました。
DAOと呼ぶとまだ雲を掴むような話ですが、世界経済フォーラムでDAOのことをTrusted Web(検証可能なインターネット)と表現しておりこちらの方が一般の方には理解しやすいです。
そして、DAO、Trusted Webの存在は日本にとってはとても重要な価値を発揮します。言語や文化の壁は国ごとに存在しておりますが、日本はガラパゴスと呼ばれるように少々世界から孤立している文化圏です。
インターネットによって世界中がつながり人類は国境を克服したかに見えましたが、大多数の国民は日本人同士での交流に留まっております。インターネットの登場で北海道から沖縄までどこに住んでいてもやりとりができるようになりましたが、世界200カ国と柔軟につながった感じはまだ一般化しておりません。
DAOやTrusted Webの登場で日本人の交流と同じレベルで世界各地の人と交流ができるようになります。インターネットは世界中を繋げましたが、インターネット関連の法規制は各国バラバラで国際ルールが一部存在するという状況です。
通貨や言語だけでなく通信や交流アプリなども国によって異なります。通貨、言語、プラットフォーム、通信規格全てが共通の世界がインターネット上で誕生する見込みです。
当然、新しいルールを決める必要があります。インターネットといえば西の先進国が規格やルールを作ってきましたが、Trusted Webに関する新しい国際ルールを日本初で行おうというのが今回のポイントです。
人同士のつながりだけではなく、IoT(モノのインターネット)の分野もTrusted Webにより大きく飛躍する期待があります。AIやIoTやDAOは同列の新しい技術として語られることが多いですが、DAO、Trusted Webはインフラであり、この土台があることで安全にAIやIoTの技術を活用することができます。
まさに新しいインターネットの誕生です。日本が主導権を握っているということを誇らしく思い、微力ながらDAO、Trusted Webの啓蒙活動に力を入れていきます。
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