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【伊藤が解説】ChatGPT利用と規制の要注意点

2023.04.03

ChatGPT制限：イタリア当局介入

イタリアのデータ保護当局が、AI言語モデル「ChatGPT」に一時的制限を課しました。
GDPR違反の疑いを受け、個人情報の漏洩が発覚したことが理由です。

米OpenAI社は、顧客情報流出への対応としてサービスをオフラインにしました。
イタリア当局は、ChatGPTのデータ収集方法に法的根拠が欠けていると主張。
さらに、ユーザーの年齢確認プロセスが不十分であると指摘しました。
OpenAIがイタリア当局に従わない場合、最大約29億円の罰金が課される可能性があります。

イタリア当局がChatGPTに一時制限、データ保護違反と対策不足の疑いで調査開始

COINPOST

ChatGPT利用と規制の要注意点

このニュース、 伊藤が解説します。

最近の話題となっているChatGPTについて、規制の話が出ています。実は、イタリアでは一時的にChatGPTが一部制限されていました。
その理由は、ユーザーのクレジットカード情報や住所、チャット履歴が外部企業に漏れる恐れがあるとして、一般データ保護規則（GDPR）に違反したとされたからです。
欧州では厳格なプライバシー規制が有名であり、その厳しさを印象づける出来事となっています。

チャットボットのChatGPTは、仕事で利用している人も少なくないでしょう。
しかし、その利用には注意が必要です。

プロフェッショナルは情報を扱う上での倫理観がありますが、AIにはそれがありません。
日本でも多くの士業がAIに仕事を奪われると考えられておりますが、AIが士業の仕事を奪うことはないかもしれません。
仕事で得た情報を外部に漏らすことは、プロフェッショナルにはありえませんが、AIでは意図せずに情報が漏れる可能性があるのです。

日本でもかつて、映画『Winny』において同様の社会問題が発生しました。
企業情報の流出が問題となり、当時は警察の捜査情報も漏れる大問題となりました。
Winnyで情報が漏れた人々は、コンピューターウイルスに感染して意図せずに情報が漏れた被害者であるにも関わらず、退職を余儀なくされるケースも少なくありませんでした。

現代のChatGPTでも、同じことが起こり得ます。
これからは、ChatGPTへの入力がデータ漏洩となり、企業の機密情報が流出し、損害賠償問題に発展する可能性があります。
そのため、一般企業がChatGPTの利用を禁じられることも考えられます。

新しい技術やサービスを利用する際には、個人の範囲内での利用に留めておくことが重要です。
仕事用のパソコンやスマートフォンと同じ環境でChatGPTを利用することは避けましょう。
Winnyのような事態がChatGPTで起こらないように、開発が中断されずに済むように、引き続きサポートしましょう。

AIはすでに人類が制御できない段階に達していますが、情報漏れのような問題で技術が停滞することは避けたいところです。
ChatGPTの公開が早すぎたとも言われていますが、大きな社会問題になっても、今後も支援を続けていくべきでしょう。

以上の点に注意して、ChatGPTを安全に利用しましょう。技術が発展し続ける中で、情報管理に関する意識を高めることが求められる時代です。
そのため、新しい技術やサービスを利用する際には、個人情報保護や機密情報の扱いについて十分注意していくことが重要となります。