以前から量子コンピューターが誕生すると暗号資産とブロックチェーンに深刻な問題を引き起こすと世界中で指摘されていましたが、現実化する可能性が出てきました。
フィナンシャル・タイムズによると、グーグルの研究者による論文がNASA(米航空宇宙局)のWebサイトに一時的に掲載され明らかになり、グーグルの開発した量子コンピューターは現在最もスペックが高いスーパーコンピューター「Summit(サミット)」の計算能力を超えるもので、Summitが約1万年かけて行う計算をたったの3分20秒で計算できるほどのスペックとなっています。
量子コンピューターが誕生すると、なぜ暗号資産とブロックチェーンに深刻な問題が引き起こされるのかというと、量子コンピューターの計算力は現在の暗号化技術は通用しなくなると言われており、暗号資産ウォレットの秘密鍵や公開鍵が割り出すことが可能となります。
さらに現在公開されているブロックチェーンのうち、少なくとも半分が影響を受ける可能性があると言われ、ビットコインやイーサリアムなどほとんどの暗号資産は量子コンピューターへの対策を取る必要があると専門家は話しています。
また、量子コンピューターによる脅威は現在私たちの身の回りで暗号化されているデータも影響を受ける可能性があり、政府機関や金融取引、個人情報など機密性の高い取引が行われている場合には、これらの情報が傍受される恐れもあります。
現時点で量子コンピューターへの耐性を備えた暗号資産で代表的なのがADAとIOTAで、その他発行されている暗号資産全体でみると耐性を備えた通貨はごくわずかです。
今の所、量子コンピューターの誕生は脅威としか思えませんが、両方をうまく組み合わせることでより良いテクノロジーに生まれ変わる可能性があるでしょう。
量子コンピューターの実現に関して信憑性が増してきました。
計算能力を表す単位もすでに現在のスーパーコンピューターですら日常から乖離するレベルですが、量子コンピューターが本当に誕生すればブロックチェーンの問題だけでなく、シンギュラリティの問題も浮上しそうです。
肝心のブロックチェーンが破られてしまうかもしれないという課題に関してはあまり悲観しなくてもよさそうです。
まず、 ブロックチェーンが量子コンピューター対策がされていないという問題は、そもそも量子コンピューターが現実的ではなかったためであり、現実的に脅威になれば対策を行う事は可能です。 また現在のスーパーコンピューターである「Summit」も米エネルギー省が管理をしており誰でも利用できるものではありません。
今後誕生するであろう量子コンピューターも誕生したらすぐに全てのテクノロジーにとっての脅威になるわけではなく、一般化や悪意を持って利用されるにはまだ当分時間がかかりそうです。
それでも、いつかはそのような時代が来ると考えて対策をとることに変わりはありません。
今回のニュースを頭の片隅に置き、リスクが顕在化する前に先手を打つ行動をしましょう。
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