こんばんは。金崎明人です。
半年近く、オンラインでは沈黙でした。
相場から退場した、訳ではなく、オフラインで生活環境の変化や諸々あり、自分のトレードに精一杯で中々寄稿ができませんでした。
今回は久しぶりの寄稿ということで、指針的なお話をシェアしたいと思います。
2022年から見えた世界情勢
今年はもうロシアのウクライナ侵攻の一言といっても過言ではありません。
オフラインの私が防衛関連産業に従事しているということを抜きにしても、間違いなく21世紀前半の世界情勢の方向性を決定付けた1年となりました。
お時間がない方向けに非常に単純明快な言葉を使うと、『グローバリズムに待ったがかかった』です。
以前から米中対立がありながらも経済では相互的に米中は依存していたため、グローバリズムを維持する前提での覇権争いでした。
それが今回の(西側諸国の)論理を無視したロシアの侵略によって、ドミノ倒しのように各国は自国や周辺地域の防衛戦略の再考が強制的に求められるようになりました。
NATO加盟申請を行ったフィンランド、スウェーデン、軍備拡大にかじを切った日独。
エネルギーをロシアに依存していた欧州でさえ、ロシア産資源を禁輸に踏み切るなど、経済がブロック化していくのは間違いありません。
【ブリュッセル共同】ウクライナに侵攻したロシアへのEUの追加制裁の一環として、ロシア産石油の禁輸措置が4日付で発動した。段階的に禁輸を進め年内に約90%の石油の輸入を停止する。
2022年6月4日 共同通信
ガンダムが好きな方なら、ガンダム00の世界観、と言えばニュアンスは伝わるでしょうか。
残念ながら穀物の一大生産拠点でもあるウクライナが打撃を受けているので、コロナバブルで加速したインフレに加え、食料品の高騰がかつての「アラブの春」のように政変を促すきっかけになってしまうでしょう。
憧れのグローバルマクロ
過去、様々な記事で投資のスタイルの話をしました。
どれも完全な正解などなく、ショートでもロングでも、ファンダメンタルでもテクニカルでも、株式でも債券でも、暗号資産でも個人的には何でも良いと思っています。
トレード(またはポジション)は何かを達成するための手段なので、ツールや手段に拘りを持ちすぎない方が賢明だと金崎明人は考えています。
そんなことを一丁前に言っている金崎明人ですが、正直グローバルマクロ戦略には憧れを持っています。
グローバルマクロで色々と検索すると様々な解説が出てきますが、要は下記の通りです。
グローバル・マクロ戦略(Global Macro Strategy)とは、世界中の国または地域の経済、金融市場、政治情勢などをマクロの(大局的な)視点から分析して、グローバル(世界的)な株式、債券、通貨、商品(コモディティ)、先物市場など広範な金融市場で売買する投資戦略です。経済指標を用いてマクロ経済の動向を予測し、あらゆる市場・商品を対象にロング・ショート(買いと売り)を織り交ぜて投資する方法で、ジョージ・ソロスなど著名ヘッジファンドの運用手法として知られています。
SMBC日興証券 HP より
レジェンドクラスの投資家、ジョージソロスや中国でも人気のレイダリオが駆使する手法でこの解説の通り、大手機関投資家でしかできない手法となっています。
私は普段はとある企業で働く会社員。
そして家庭ではかわいい家族もいます。
なので、この手法は憧れはするけれども絶対にマネすることはできません。
自分のライフスタイルや趣向に合わせないと長続きしませんからね。
今のスタンスはスイングトレード・インデックス投資寄り
トレードの頻度やポジションの期間でスキャルピングトレード・デイトレード・スイングトレード(あとはそれ以上の長期投資)と分けたり、日本株・米国株やインデックス投資・個別株投資、成長株か高配当株かといった投資対象での分類(トヨタではよく層別と言いますね)がありますが、あなたはどこのカテゴリーに属するでしょうか?
金崎明人は大学卒業から投資家デビューを果たし、FXや日本株(小型)、優待株、債券、外国株と色々経験してきました。
今のライフスタイルで自分に合っていると判断し、取ったスタイルは、スイングトレード、米国インデックスを中心としたコアサテライト戦略をとっています。
グローバルマクロに憧れており、かつ地政学も好きであるということから、ファンダメンタルをまず見て、エントリー判断はテクニカル分析を使います。(そこまで得意ではありませんが)
上のチャートは世界最大の資産額(なんと50兆円近く!)を誇る米国S&P500のETF”SPY”です。
S&P500は典型的なインデックス投資の代表指標ですね。
バイオやSaaS関係のグロース投資をしている方にとっては退屈な投資かもしれませんが、基本トレンドが定まっており、かつ取引高も大きい=流動性が大きい 『米国の大手企業のハッピーセット』のような投資対象は私にとっては外せない『主力艦隊』となる訳ですね。
ポートフォリオにはレバレッジ系も多少はスパイスとして入れていますが、ベースは守備力高めにしています。
2022年で見えてきた投資戦略
ロシアによるウクライナ侵攻前から、コロナバブルの反動で量的緩和でじゃぶじゃぶになっていたマネーの動きを締め付ける(=QT)動きはほぼ2022年に行われると言われていたので、米国株の勢いは停滞するとの意見が大半でした。
まさにその通りの流れとなってきており、一方、日本株は相対的に割安ということで見直されつつありますね。
日本の個人投資家で個別銘柄に投資する人のほとんどは日本株オンリーなので、逆に今年は報われるかもしれません。
中国もようやくロックダウンの混乱が落ち着きだしたので、多少勢いを取り戻すと思いますが、米国との対決姿勢を鮮明にしており、かつ政治リスクが高すぎることが分かったので私であれば超短期くらいでしかポジションを取りません。
米国の利上げは昨今のインフレ事情から確実に2022年は進むので、割引現在価値を考慮すると、グロース株もリスキー。
これらを総合的に判断して、私であれば
・資本主義経済の中心で、かつ最強クラスの企業や人材が集まる米国は外せない
・しかし政策トレンドを考慮すると金利上昇に弱いセクターは選ばない(それをヘッジするものならアリ)
・インフレ基調は今年も世界的に続く
ということから、米国の大型株とインフレをヘッジできるようなコモディティと一部の日本株にポジションを取ろうと判断しました。
日本株は情報を周り、または母語でリアルタイムで取りやすいというのが最大の理由です。
あくまで金崎明人の意見ですのでこれらの仮説や想定が誤っているかもしれません。
ただ、それも結果論で、私たちは未来予想を完全に的中させることはできません。
と、ここまで大風呂敷を広げた感はありますが、来年初頭にまた答え合わせができれば良いですね!
常にPlan Bを模索し、ハイリスクハイリターンは避ける、というスタンスは退屈ですが長持ちするものだと金崎明人は考えています。
それでは、金崎明人がお送り致しました。
この記事を書いた人
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東証一部上場企業で会社員として働くも、趣味の業界であるため、ストレスフリーで過ごす。 ファンダメンタル分析をベースに長年相場で戦い、経済的なストレスからも解放され、ストレスフリー。市場平均は常に超えてます。 社畜を軽蔑していることからか、辛口コメントなのがタマにキズ。
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