参議院 「FATF勧告対応法案」可決
今月2日、マネロン対策として犯罪収益移転防止法などに関連する6つの法律を束ねた、「FATF勧告対応法案」が参議院本会議にて成立した。
この法案の背景は21年8月のFATFによる第4次対日相互審査報告書でマネロンの改善を求められたことであり、暗号資産による資金移動の監督方法をはじめとするマネロンへの対策方法が定められている。
6つの法案の一つである犯罪収益移転防止法の改正は、FATFが定めた「トラベルルール」に準拠しており、暗号資産交換業者に事業者間でのユーザー情報通知を課した。
COIN POST
FATF勧告対応法案による市場への影響とは
仮想通貨のマネーロンダリング対策のニュースですが、仮想通貨以外もマネーロンダリング規制は強化されております。今までは許されていたがこれもダメになるの?という項目も多いので解説をさせていただきます。
仮想通貨取引がマネーロンダリングに利用されやすいという誤解を解きます。法定通貨の決済や銀行振込やカード決済もマネーロンダリングに利用されておりますが、これらは法律で守られており、利用者に直接責任が及ばないようになっております。
例えば、クレジットカードで不正に決済がされた経験がある方は多いのではないでしょうか。身に覚えのない決済があればカード会社に返金を求め、カード利用停止の処理ができるようになっております。
仮想通貨決済の場合、自分の意図しない不正利用があった場合、返金を求めることはできません。その仮想通貨アドレスを利用停止することもできないため、資産が入った仮想通貨アドレスごと捨てることになります。
これだけでも金銭的な被害がありますが、さらにその決済が不正であった場合、仮想通貨アドレスの保有者本人が逮捕されることになります。
そんな馬鹿なことはないとお考えの方はご注意ください。アメリカではトルネードキャッシュ利用者は本人の意図とは関わらず利用履歴を元に逮捕されております。日本でも不正に仮想通貨決済をしたことで31名の日本人がマネロン疑惑で逮捕されております。
続報が出ていないので、おそらく不起訴になっているケースも多いと思います。これが仮想通貨がマネーロンダリングに使われていると誤解される理由です。本来であれば被害者で無実の方も一旦逮捕されてしまうので、全体的にマネーロンダリングをしている人数が多く見えてしまいます。
もちろんこれから法規制が厳しくなり、普通に使っている方は守られる方向に進みますので今回のFATF勧告対応法案は市場にとって大きなプラスです。問題はある程度仮想通貨に慣れていてウォレットを利用している方です。
直近の出来事でメタマスクというウォレットサービスがIPアドレスを取得するようになりました。これを回避する動きが一部で出ております。これは悪手です。
メタマスクの利用を停止して別のウォレットサービスを利用始めたら何かから逃げているように捉えられます。取引所も匿名性が高すぎるサービスとは接続しませんので、いまの業界の規制の流れを回避するという動きはお勧めしません。
どこかでトルネードキャッシュの二の舞に巻き込まれる恐れがあります。多くの方は納税から逃げておりますが、一番逃げてはいけない対象が納税です。納税から逃げることは非常に重たい刑事罰がついた犯罪行為となりますので過度に規制回避することはやめましょう。
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