FATF(金融活動作業部会)は暗号資産の監督法を明確化するためのガイドラインを新たに発表しました。マネーロンダリングやテロ資金供与の防止策としてFATFの加盟国に対して規制強化を促します。
- オリジネーターの名称(送り手側の情報)
- 送り手側のオリジネーターのアカウント情報(ウォレットアドレス等)
- オリジネーターの所在地、国民識別番号あるいは顧客番号など、オリジネーターの利用機関や利用日、出生地などの情報
- 受け手側の情報
- 取引を行うために利用される受け手側のアカウント情報(ウォレットアドレス等)
各国の規制当局が今回のガイダンスをどのように解釈し、規則を設けるかによって今後の暗号資産市場の動きが変わってきます。
日本の金融庁によると、FATFのガイダンスに対して「我が国における実効的なマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢の構築・維持という観点から、官民連携や関係 当局との連携等を進め、十分な対策の実施に努めて参ります。」とコメントしています。
また、今月28日から2日間に渡って大阪で開催されるG20とは別に「V20」という、V20 仮想資産サービス提供者サミット(VASP、Virtual Asset Service Providers Summit)」という名称で、FATF関係者、国内外の政治家、有識者、暗号資産取引所関係者などが集まり、FATFによる今回発表されたガイダンスの影響や問題点に話し合います。

アンチマネーロンダリングと暗号資産市場はやはり相性が悪いです。
今回、FATFよりマネーロンダリング対策のベースとなるガイドラインが発表されました。
世の中で提供されているサービスで、暗号資産を保管するウォレットや管理者が存在しないDEX(分散型取引所サービス)においてはKYC(個人認証)をする必要がありません。
今回のガイドラインを正しく規制に組み込むとすれば、国内取引所から国内取引所への送受信はできますが、その他の海外取引所やウォレット各種サービスには送金ができないという事になってしまいます。 また、今回のガイドラインが発表されたことで国内取引所に保管していた暗号資産をすぐに国外に送金しようとする海外送金圧力が誕生するでしょう。
それにより国内で活性化していた暗号資産売買は、そっくりそのまま海外取引所で行われることになります。
まだガイドラインが発表されただけで実際にどのような規制が始まるかは未定ですが、ある程度資産の分散化はしておいた方が良さそうです。