みなさんご存知、クレジットカードの国際ブランドであるマスターカードが、この度ブロックチェーン技術における専門家を大量に雇用しました。
今回は、この事例を用いて決済サービスやフィンテック企業がどのように発展していくのかについて考察していきたいと思います。
マスターカードがブロックチェーンの専門家を175人も雇用?!
マスターカードは、アイルランドのダブリンで新たに175人を採用すると発表した。(中略)
決済分野でのイノベーションを加速するため、マスターカードは広範囲で専門家の採用を進めるとしている。ソフトウエアエンジニアやデータサイエンティスト、情報セキュリティ専門家、そしてブロックチェーン技術の専門家だ。
引用元:COINTELEGRAPH The future of money
マスターカード「ブロックチェーン技術者求む」 アイルランドで採用進める(2018年4月16日より)
この度マスターカードが、アイルランドで175人ものブロックチェーン技術の専門家を採用しました。
しかし、なぜ彼らはアイルランドの専門家に目を付けたのでしょうか?
実はアイルランドはヨーロッパを誇るIT国家と言われています。その理由としては、若い人材が非常に充実しており、なんと全人口の約50%が35歳未満を占めています。
またブロックチェーンのみに特化するのでなく、システムエンジニアなど様々な技術者も雇用することで、 多角的な面からの決済サービスの進化を測っている と言えるでしょう。
金融業界で生き残るための手段はサービスの質の向上!!
Sonya Geelon氏は「私たちは国内外の財政的な取り込みを促進するプロジェクトを推進しており、消費者、企業、政府に最も革新的で安全で安全な支払い方法を提供するよう働いている」と述べ、マスターカードが金融サービスへのアクセス拡大に取り組んでいる旨を説明しました。
引用元:Coin Magazine
マスターカード、新たに暗号資産の技術者を雇用し開発進める(2018年4月13日より)
それでは、マスターカードはどのような目的があって今回のような大量雇用を行なったのでしょうか?
それは、 金融業界で生き残るために決済サービスの質を向上させること であると考えられます。
では、具体的にどういった決済サービスへと進化するのでしょうか?
例えばブロックチェーン技術の導入によって今まで以上に顧客が安心して利用できるようになったり、支払いに必要な重要情報を企業に提出しなくても良くなったりするでしょう。
また手数料が安くなったり、アクセスが拡大することで通貨のデジタル化が進むことによって低コスト化が実現される可能性も大いに考えられます。
マスターカードはやはり暗号資産肯定派?!
今年3月、マスターカードは、国が発行するデジタル通貨に対してオープンであると表明した。16年には、クレジットカードの決済にブロックチェーン技術を使う特許を申請している。
引用元:COINTELEGRAPH The future of money
マスターカード「ブロックチェーン技術者求む」 アイルランドで採用進める(2018年4月16日より)
お気づきの方もいらっしゃったかと思いますが、実は先ほどの項で挙げた具体例は全て暗号資産のメリットです。
つまり言い換えると今回の取り組みは、 マスターカードがオリジナル暗号資産を作ろうとしている とも言えるのではないでしょうか。
事実、先月マスターカードは暗号資産に対して肯定的な考え方を持っていると公言しています。
こういった意思表示は暗号資産否定派の多い金融業界では珍しいことです。
また、なんとブロックチェーンの特許申請は2年前から行なっており、その当時から金融業界での生き残るための戦略を練っていたとも考えられるのではないでしょうか。
日本も負けてない!!決済サービスのブロックチェーン導入
SBIホールディングス株式会社と、その子会社のSBI Ripple Asia株式会社は、株式会社クレディセゾン、株式会社ジェーシービー、三井住友カード株式会社等を発足メンバーとして、業界横断的な基礎技術の研究と共通基盤の構築を目指し、分散台帳技術や人工知能等の先端技術を活用した新たな金融インフラの検討を行う「ブロックチェーン技術等を活用したペイメントカード業界コンソーシアム」を2018年1月に設立へ。
引用元:暗号資産情報サイトbitpress
SBIホールディングス、ブロックチェーン技術等を活用した「クレジットカード業界コンソーシアム」発足(2017年12月28日より)
実はこういった取り組みはマスターカードの独壇場ではなく、日本の企業でも行われています。
SBIホールディングスを初めとする決済会社が数社集まり、クレジットカードにブロックチェーン技術を導入するために共同研究するための組織を今年の1月に立ち上げています。
現状、ブロックチェーンのような技術の発展に大きく命運を左右される金融業界は安定しているとは言えません。
つまり 金融業界で生き残るためには、どの企業よりも優れたフィンテック技術を、いち早く導入する必要がある と言えるでしょう。
また同時に、これらの決済サービスの質の向上により紙幣通貨の需要が減り、各国において通貨のデジタル化が急激に加速することも考えられるのではないでしょうか。
民間企業による暗号資産の導入について詳しく知りたい方はこちら
金融機関における暗号資産の認識について詳しく知りたい方はこちら
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