The DAOとは一体何だったのか?徹底解説します!
【目次】
1. The DAOの解説
2. The DAO事件の真相究明
1. The DAOの解説
2016年にThe DAO は イーサリアム(Ethereum) プラットフォーム上の DAO として設計されました。The DAO (decentralized autonomous organization)を直訳すると「自律分散型組織」となります。つまり特定の国や管理主体に属さない自立した組織であり、その組織の「ルール」はスマートコントラクトとしてブロックチェーン上にプログラムされます。
「The DAO」とは「Stock.it」が立ち上げた分散型投資ファンド組織で、プロジェクト名と言えます。このプロジェクトの参加に利用される「DAO」はトークンとして存在します。
2016年5月、The DAO は独自トークンDAOをICOにて資金調達を始め、28日間で約150億円もの資金を集めました。当時のICOの資金調達額として、史上最高記録を塗り替える程の金額で、ビッグニュースになりました。
投資家が EtherでDAO購入し、そこから投資家が個別のプロジェクトに投資していきます。また、保有する DAOの数に応じて、投資先の選定に対する議決権を持ち、また投資利益が事前に決めたルールに従い自動的で分配される仕組みです。
2. The DAO事件の真相究明
2016年6月17日The DAO のプログラム(Split機能と、DAOの報酬を送金する機能)にバグがあったため、ハッカーにその脆弱性を突かれ、ICOで資金調達した3分の1以上の約50億円相当のETHが盗まれてしまいました。
Split機能とは、簡単に言うと「DAOトークンをETHに変える機能」です。流れとしてはこのようになります。
① 資金をアドレスに動かす指示を出す
② 別のアドレスに指示を出した分のETHが移動する
③ そのアドレスから28日後、資金移動命令を出すことでETHが引き出せる
その記録はブロックチェーン上で確認可能です。
報酬の送金機能は、送金の指示がなされると「報酬を特定のアドレスに1度だけ送金する」という機能ですが、実際には1度の指示で何度も送金を実施可能というバグがありました。DAO運営側も把握していましたが、配当報酬がないため実質的な問題はないとの見解でしたが、DAO運営側は、まだDAOは配当する報酬がないため、実質何の問題もないとしていましたが、The DAO事件では、このシステムの脆弱性をつかれてしまったのです。
ホワイトハッカーが、同じ手法を使い、残っていた資金を避難させたおかげで、約50億円程度の被害で済んだと言われています。
結果的に「The DAO事件を無かった」ことにするため、イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーンを強制的にハードフォークすることになり、イーサリアム(ETH) と イーサリアムクラッシック (ETC) に分裂するという事態になりました。
このような事件をうけて、DAOはかつてcoincheckに上場していましたが、現在はDAOの取引はなくなり、イーサリアムとイーサリアムクラシックのみになっています。暗号資産はまだ未熟期であり、様々なサイバーアタックを受けながら更なる成長を見せてくれることでしょう。
Written by 酒井 和
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