週刊東洋経済(2017年11月4日号)にて、ビットコイン(Bitcoin)の特集が組まれました。
今回はその内容について解説していきたいと思います。
Q&Aで解説!暗号資産のオモテとウラ
よく質問される内容がまとめられています。
一部には東洋経済らしい回答も見られますが一体どのような内容か、その6つの質問について見ていきましょう。
Q1 暗号資産とはどんなものですか?
東洋経済ではビットコインは下記の通りに定義しています。
暗号資産はインターネット上で自由にやり取りできる通貨の機能を持った電子データのこと。海外ではCrypto Currency(暗号通貨)といわれ、実態は暗号化された文字列の情報です。
日本では今年4月に施工された改正資金決済法で、暗号資産を定義しています。
円やドルなどの法定通貨と交換できたり、電子的に移転できたり(法定通貨や法定通貨建ての資産ではない)ことなど、大きく分けて3つの性質を持っていれば、法律上の「暗号資産」となります。
引用:週刊東洋経済2017年11月4日号
また、最後にはこう締めています。
なお日本では、法律で暗号資産を決済手段のひとつと定義づけましたが、国が価値を保証しているわけではありません。
暗号資産は、その価値を信頼する人たちの間で通用するものと言えます。
引用:週刊東洋経済2017年11月4日号
やはり「定義」となると国の見解が重要になってくると思いがちですが、それは経済紙であるから。
肝心なブロックチェーン技術についてのコメントは一切ありません。
この表現で締めくくってしまうとすれば、もしかするとビットコイン(Bitcoin)の考案者であるsatoshi nakamotoは不満を感じてしまうかもしれません。
CryptoCurrency(クリプトカレンシー)の意味
Q2 暗号資産の長所と短所は何ですか?
これについて、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問の野口悠紀雄氏の見解を元に回答を述べています。
「これまでインターネットの中で送れるのは情報だけだったが、ブロックチェーン技術で初めて、『通貨』という経済的な価値を送れるようになったことが大きい」と述べています。
ネット上の共通通貨として世界中の誰とでもやり取りできるのが長所です。短所は値動きの激しさです。局面によっては大きく下落します。
引用:週刊東洋経済2017年11月4日号
以降は様々な属性の人にインタビューをし、その回答から長所と短所を分析しています。
「通貨」として見た場合、やはりボラティリティの大きさがマイナスと見られ、 価格変動が激しい通貨は通貨として使うことは難しい と考えられます。
一方で「投資」として見た場合は、またそれとは異なる長所短所が浮き彫りになっていくでしょう。
今さら聞けないビットコイン(Bitcoin)の基本!暗号資産の特徴
暗号資産の長所、短所
ビットコイン(Bitcoin)の価格(price)変動はなぜ大きいのか
ビットコイン(Bitcoin)の相場予想が難しい理由
Q3 ブロックチェーン技術のすごいところは?
東洋経済では以下のように解説しています。
日本語では「分散型台帳」と訳されますが、次のようなノートがあると考えて下さい。それぞれが書き込んだ内容は消したり、破り捨てたりすることができない。可能なのは書き足すことだけ。
取引履歴を書き込むときはネット上でみんなにチェックされ、それぞれがノートのコピーを保有している。このノートが先ほどのブロックです。取引記録が消去できず、相互監視されるため、データの改ざんはほぼ不可能とされています。
引用:週刊東洋経済2017年11月4日号
とても良い例えで分かりやいですね。
そもそも「ブロックチェーン」という概念が新しく、初めて聞いた際「それで本当に安全なの?」と疑問符が出てくるものですが、その可能性を極限まで下げられる例えだと感じます。
後半はマイニングの仕組みやマイニングプールの中国勢が強いことなどが、簡単にまとめられています。
ただ「マイニング」という概念は、暗号資産全般ではなくPoW形式を取っている通貨(ビットコイン、現在のイーサリアムなど)に限ってのものですので、
混同しないよう訂正させていただきます。
分かりやすいブロックチェーン(Blockchain)の解説
ブロックチェーン(Blockchain)と暗号資産の関係は?
ブロックチェーン(Blockchain)を学ぶ方法
ブロックチェーン(Blockchain)で実現する未来を予測
Q4 マウントゴックス事件とは何だったのですか?
名前だけは有名ですが、事件の真相を知らない人は多くいます。
まだ暗号資産やビットコイン(Bitcoin)という言葉が浸透するよりも昔の事件であり、この事件が発端として認知度が高まったと言っても過言ではありません。
東洋経済では以下のように解説してます。
世界最大のビットコイン取引所だったマウントゴックス(東京・渋谷)の経営が破綻し、裁判所に民事再生手続きの申し立てを行ったのは2014年2月28日。
同日の会見でマルク・カルプレス代表は、「システムに弱いところがあり、ビットコインがなくなった」と話しました。
同社が保有する85万ビットコイン(顧客からの預かり分は75万ビットコイン)がほぼ全て消失したという説明です。同月26日に取引の全面停止を発表し、直後に倒産するという不可解な幕引きとなりました。
同年4月に破産手続きの開始が決定。倒産は取引所の運営の問題でしたが、扱われていたビットコインにもネガティブなイメージが付きました。
引用:週刊東洋経済2017年11月4日号
この辺りのニュースを見返してみると、どのメディアも「ビットコインが破綻した」という解釈ともとれる言い回しをしており、「ビットコインは悪」というイメージが付いたと感じます。
正しくはマウントゴックスの破綻であり、「ビットコインを取り扱っている数ある取引所の内の1つが破綻した」だけ。
正しく報道されていれば、もう少し違った形で暗号資産が浸透していた可能性もあります。
Mt.Gox(マウントゴックス)騒動は何がいけなかったのか?
第二Mt.Gox(マウントゴックス)事件に遭わないために
Q5 暗号資産は会計上、どう扱われますか?
法整備が進み、「雑所得」として扱われることが決まりました。
会計上の基準は定まっておらず、企業会計基準委員会の草案公表を待つ形となっております。これについて、草案の一部が解説されております。
「当面必要と考えられる最小限の項目に関する会計上の取り扱いを定める」のが今回の目的で、ポイントは3つあります。
1つ目は貸借対照表に暗号資産を計上するとき、期末評価をどのように行うか。これについては、市場価格で計上することがルール化される見通しです。(中略)
2つ目は暗号資産の売却取引を行う場合、利益をどのように計上するか。これは暗号資産の売却収入から売却原価を差し引いて、その純額を損益計算書に計上する形になる見通しです。
3つ目は暗号資産交換業者が利用者から預かった暗号資産の扱いですが、業者の資産に顧客資産を含めて計上することになりそうです。
引用:週刊東洋経済2017年11月4日号
全て「見通し」となっています。今後の発表に注目しましょう。
ビットコイン(Bitcoin)にかかる税金は?いろんなパターンを検証
Q6 ビットコインの分裂とは何ですか?
東洋経済ではビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)が派生した時点からさかのぼり、2017年11月に予定しているセグウィット(segwit)までの経緯を説明し、一言でこうまとめています。
仕様変更の方針が一致しなければ分裂する
引用:週刊東洋経済2017年11月4日号
間違いありません。
また、ビットバンクCEOの廣末紀之氏の発言で締めくくっています。
「BTG(ビットコインゴールド)が出てきたことで、どんどん分裂が起きて、ビットコインだけで100種類、200種類になる可能性が出てきた」
引用:週刊東洋経済2017年11月4日号
この辺りの見解について賛否両論分かれますが、いづれにしても「本家の消滅」という可能性も見え、その存在自体が危ぶまれているのも事実です。
ビットコイン(Bitcoin)の分裂・ハードフォークの歴史
ビットコイン(Bitcoin)の技術的なリスク
ビットコイン(Bitcoin)の技術的なスケジュール
2017年11月に予定するビットコインのセグウィット2(SegWit2x)とは
まとめ
ユーザー目線での回答に加え、技術者目線での回答も見受けられる一面であったと感じます。
経済紙ならではの表現方法では一部誤解を招く可能性があり、読者の皆様には正しい知識を取り入れて頂きたいと思い、サイト内リンクの一部を紹介させて頂きました。
知識を得た後に「で、どうしたいの?」とならないためにも、歴史から学び判断基準のひとつとして頂ければ幸いです。
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written by yuta takahashi
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