暗号資産の要件とは
日経新聞に掲載された記事を紹介します。
今回のテーマは暗号資産の要件についてです。
しばしば法定通貨との比較が取り上げられていますが、日本の政府当局の見解など改めてどのように定義づけられるのかがまとめられています。
暗号資産の存在の定義づけを
ビットコイン(Bitcoin)で決済ができる店舗が増えていますね。
日本円などの法定通貨と同じように支払えることから、しばしば混同されることもあります。
ビットコインなどの暗号資産が日々の生活に浸透するにつれ、様々な問題が浮上している。会計処理や税制上の取り扱いを詰める必要があるうえ、そうした議論を進めるには暗号資産という存在を定義づけなければならない。
引用元:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22592500T21C17A0EE9000
暗号資産、独自の通貨単位など要件(2017年10月23日)より
記事の中でも、問題点を挙げていました。
よく税金の問題は議論になりますが、会計処理も扱いが難しいところですね。
今はまだ暗号資産の筆頭であるビットコイン(Bitcoin)ですらも価格が安定していない状況です。
[su_highlight background=”#fdff9d”]暗号資産の定義を定める必要がありそうです[/su_highlight]。
暗号資産法が施行
日本では世界でも早い段階で法律を制定したと言えます。
いわゆる暗号資産法と呼ばれる改正資金決済法の中身を見ていきましょう。
同法では、(1)電子的に記録され移転できる(2)法定通貨、または法定通貨建て資産(プリペイドカードなど)ではない(3)不特定多数への代金の支払いに使用でき、法定通貨と相互に交換できる――という3要件を示す。
独自の通貨単位を持つ電子通貨で、なおかつ特に相手を限らず支払いなどに利用できる、ということだ。暗号資産の基幹技術である「ブロックチェーン」を活用しているかどうかなどは問わない。
引用元:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22592500T21C17A0EE9000
暗号資産、独自の通貨単位など要件(2017年10月23日)より
(2)がポイントとなりそうです。
実体のない電子であるという点は誰にでもわかりやすそうですが、法定通貨建てではないというのが難しいかもしれません。
つまり、店舗では日本円と指定された暗号資産(ビットコインの普及が有力でしょう)の二つの通貨が使えるということになります。
日本円はJPY、ビットコイン(Bitcoin)であれば単位はBTCとなります。
電子マネーや法定デジタル通貨の扱いは
電子マネーなどは暗号資産には分類されないのでしょうか。
Suicaなど国内で使われている電子マネーは円建てであり、「法定通貨建てでない」という要件を満たさない。スウェーデン中銀などが構想する法定デジタル通貨も同様の理由で、「真性の暗号資産」とは言えない。
引用元:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22592500T21C17A0EE9000
暗号資産、独自の通貨単位など要件(2017年10月23日)より
[su_highlight background=”#fdff9d”]電子マネーや法定デジタル通貨の単位はあくまでその国の通貨単位となるので暗号資産には当たりません[/su_highlight]。
たとえ電子化されていても、日本であれば単位はJPYですね。
暗号資産でも電子マネーでもないMUFGコイン
三菱東京UFJ銀行が独自の通貨を作ると伝えています。
預金口座から円を同コインに両替したり、逆に円に戻したりして使う。個人や企業が低コストでキャッシュレス決済や債務の返済などにも使える仕組みを想定する。電子マネーはいったん交換してしまうと円には原則戻せず、送金もできない。
引用元:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22592500T21C17A0EE9000
暗号資産、独自の通貨単位など要件(2017年10月23日)より
従来の電子マネーとは違い、電子情報から現金化することを目指すようです。
確かに便利にはなりますが、利用者目線で言えばメガバンクのうちで一行しかそのようなシステムを導入しなければ、混乱を招くおそれもあります。
[su_highlight background=”#fdff9d”]国家政策として日銀が主導すべき[/su_highlight]なのかもしれません。
3つ目の概念?デジタル通貨
MUFGコインは法定通貨として認められない可能性があります。
「1MUFGコイン=1円」の価値を持つものとして発行が検討されている。このため、「法定通貨建て資産に当たる」と当局が見なす可能性もある。現時点で分類はあいまいな部分があり、「デジタル通貨」と呼ばれている。暗号資産と電子マネーの中間的な存在を、ひとまずこう位置付けることが多いようだ。
引用元:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22592500T21C17A0EE9000
暗号資産、独自の通貨単位など要件(2017年10月23日)より
日本は世界各国に比べてデジタル決済の文化が遅れていると言われています。
この手間は暗号資産の台頭と切り離して進めていくべきでしょう。
特にMUFGコインの現時点の機能は、従来の電子マネーに換金機能がついていることだけです。
利便性を求めるのなら、[su_highlight background=”#fdff9d”]「デジタル通貨」といって概念を増やしていくのはそもそもの方針に反するのではないでしょうか[/su_highlight]。
終わりに
今回取り上げられたのは三菱東京UFJ銀行の例でしたが、政府当局も含めて、焦りが見受けられます。
どの機関もいざとなったらビジネスに徹するという姿勢が現れてきて、興味深いことです。
また、同時にそれだけ暗号資産という新たな存在に注目が集まっていると言えます。
今後はさらに各所が対応に迫られることが予想されます。
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written by 今井徹
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