「仮想通貨ウォレットを開設したけど、税金ってどうなるの?」「仮想通貨の税金で破産した人がいるって本当?」
仮想通貨ウォレットを開設したら、次に気にすべきは税金です。原則利益が出た場合は、雑所得に計上した確定申告しなければなりません。
しかし、仮想通貨の税金は計算が難しい上に、まだ政府から公的な見解が示されていない部分も多いです。そのため、仮想通貨の計算をどうしたら良いかわからない方もいるでしょう。
本記事では、仮想通貨と税金の関連性や、ウォレットでのやり取りで税金がかかるパターンを紹介しています。
仮想通貨の取引には税金がかかる
仮想通貨の取引を始めたての方がしがちな失敗の1つが、税金関連です。
簡単に言えば、課税のタイミングを把握しておらず、税金を払い漏れてしまうのです。
- 仮想通貨の所得が20万円以上になった場合は税金がかかる
- 億り人と呼ばれる人たちへ多額の課税がされたケースも
- 仮想通貨取引で利益が出た時点で課税対象となる
シンプルに言えば、暗号資産で稼いだら、その利益に対して税金がかかります。税金を払わないと脱税とみなされ、悪質だと判断されれば、追徴課税となるケースもあるため、注意しましょう。
仮想通貨の所得が20万円以上になった場合は税金がかかる
暗号資産の所得は、雑所得に計上されます。国税庁の発表を引用しますので、参考にしてください。
”暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和3年12月) 暗号資産を売却又は使用することにより生ずる利益については、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分され所得税の確定申告が必要となります。 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和3年12月)」
原則雑所得に計上されると発表されていますので、暗号資産の収益は課税対象です。
副業で暗号資産取引をしており、雑所得が20万円以下の場合は、確定申告は必要ありません。しかし、給与所得者ではない自営業者やフリーランスなどは、20万円以下でも暗号資産所得についての申告が必要な点に注意しましょう。
詳細がわからない方は、税理士に相談して、申告の必要性を判断してもらうのが最も確実です。
億り人と呼ばれる人たちへ多額の課税がされたケースも
暗号資産の税区分は非常に曖昧であり、日本円で出金するまでは非課税だと思っていた人も多くいました。そのため、億り人になった人たちの中では、税金の支払いで破産に追い込まれてしまった方もいます。
10万円程度の投資で1億円以上の利益を出した場合は、雑所得として申請する必要があります。しかし、多くの方はスワップして他の通貨に交換して、日本円に換金していませんでした。そのため確定申告をしていなかった方が多かったのですが、国税庁の調査により課税対象と判明。これらの人へ多くの課税が決定されたのです。
もちろん利益を日本円へ換金済みだった場合、または対象の通貨の価値が利益確定時よりも下がっていなければ問題ありません。出金して、請求された税金分を払えば良いだけです。
しかし、利益確定当時よりも暗号資産の価値が下がった場合は、日本円に換金しても税金分に満たない恐れがあります。追徴課税は自己破産しても、免除されません。そのため、債務整理で他の借金などを整理した上で、追徴課税を分割で払うこととなったケースもあります。
上記のように、暗号資産で利益が出たら、速やかに税金を計算して日本円を確保する必要があります。
仮想通貨取引で利益が出た時点で課税対象となる
仮想通貨で生じる税金は雑所得です。また、課税のタイミングは利益が出た瞬間となります。つまり、日本円に変えた時点で税金がかかるという考え方は間違いなのです。
Aという仮想通貨をBへスワップし、利益を出したとしましょう。その後Bを売って日本円として口座へ引き出したとします。
この取引において、課税されるタイミングはAからBへスワップして出た利益に対してです。
また、Bを日本円へ出金する際に相場が変わり、さらに利益が出た場合はその差額も課税対象となります。
簡単に言えば利益が出た時点で税金の対象となると覚えておけば良いでしょう。仮想通貨ウォレットは、日本円の取引の瞬間のレートなどの利益が出ないため、自分で管理する必要があります。
もしも、当時のレートがわからない場合は「総平均法」を用いて計算するケースが多いです。総平均法とは、1年間で購入した暗号資産の売却額の合計から、購入額を差し引いた金額を年間所得とする計算方法。
例として、2022年5月にビットコインを1BTC(50万円)で購入、さらに8月に1BTC(100万円)で購入したとします。そして、年末に2BTCを1BT100万円のレートで売ったとしましょう。
売却額の合計は200万円ですが、ここから、購入時にかかった金額を差し引かなければなりません。つまり、計算方法は以下のようになります。
200万円(BTCの売却額合計)ー150万円(5月・8月の購入額の合計)=50万円
つまり、200万円から購入額を差し引くと利益は50万円となります。
上記所得の50万円が課税対象です。
仮想通貨の取引で税金がかかるケースとは
仮想通貨ウォレットを使うにあたり、どのタイミングで税金がかかるか気になりますよね。
- 仮想通貨の取引によって利益が出た場合
- 自分のウォレットから友人・家族のウォレットへ贈与した場合
- エアドロップでウォレットへ仮想通貨が送金された場合
- ICOで仮想通貨を受け取った場合
- 仮想通貨ウォレット同士での送金は税金がかからない
個人のウォレット、暗号資産取引所ウォレットを使った場合でも、課税のタイミングは同じです。パターン別の税金の考え方を解説するので、仮想通貨ウォレットを初めて扱う方は覚えておきましょう。
仮想通貨の取引によって利益が出た場合
原則として、仮想通貨の売却など取引によって出た利益は全て課税対象です。
ビットコインを200万円の時に購入して、年末に価値が500万円となって売却したとしましょう。その際は300万円の利益が出たこととなるため、300万円が課税対象となります。
ビットコインを利益確定(売却)した時点で、300万円に対して税金がかかる点に注意してください。ビットコインをUSDTに換金して、さらにUSDTを日本円へスワップした場合に、相場の変動により300万円よりも利益が出ることがあります。
その際は、300万円と日本円へのスワップ差額にも課税されるので注意してください。
自分のウォレットから友人・家族のウォレットへ贈与した場合
自分のウォレットから、他人のウォレットへ暗号資産送金した場合は、贈与税の対象となる可能性があります。
贈与税は110万円以上の贈与に対して課税され、贈与を受け取った人が税金を払う義務を負います。
ウォレット同士で送金をする際は、110万円以下に金額を抑えるようにしましょう。または、110万円以上の金額になる場合は、贈与税分が生じることを相手方にも説明しておいてください。
エアドロップでウォレットへ仮想通貨が送金された場合
暗号資産のエアドロップへ参加して、仮想通貨を受け取った場合も課税対象となります。
エアドロップは、暗号資産を受け取れるチャンスではありますが、純粋に利益が出たとみなされるためです。
エアドロップされた資産の価値が急激に上がり、その際に利益確定をした場合は、受け取った時点と利益確定時が課税計算のタイミングとなります。
ICOで仮想通貨を受け取った場合
ICO(Initial Coin Offering)とは、暗号資産の開発者が行う資金調達を意味します。例えばホワイトリストで、優先的に先発コインを購入できる権利を与えるのもIOCの1つです。ホワイトリストを作ることで、どの程度の人が暗号資産を買ってくれるかが分かり、どの程度購入があるかを予測できます。
IOCは単なる暗号資産の購入とほぼ同じではありますが、その後大きく利益が出る可能性を秘めています。そのため、ローンチ当時は安価でも、すぐに100倍に価値が膨れ上げるようなこともあるでしょう。
その場合は、購入時の価格と利益確定した際の差額分に対して課税されます。
IOCは魅力的ですが、同時に利益が出れば課税対象になると覚えておきましょう。IOCは個人のウォレットを使うことが多いので、ローンチ当時の価格などもメモしておいてください。
仮想通貨ウォレット同士での送金は税金がかからない
仮想通貨ウォレット同士の送金では、基本的に税金はかかりません。あくまで本人名義のウォレット同士の送金に限りますが、ウォレット同士の送金は単なる資金移動です。
銀行でもそうですが、貯金する銀行を変えただけで税金はかかりませんよね?
それと全く同じように、ウォレット間の送金をしただけでは課税されないので安心してください。
仮想通貨ウォレットで税金計算はできない
仮想通貨ウォレットは非常に便利ですが、税金計算はできません。暗号資産取引所のウォレットは、取引当時のレートなども記録が残ります。
- 取引所を経由しない取引は履歴が残しづらい
- エクセルで手入力または専門ツールを使うのがおすすめ
しかし、暗号資産ウォレットの多くは、トランザクションでレートまでは見られないため、確定申告時に戸惑う人が非常に多いのです。仮想通貨ウォレットのでメリットの1つである税金計算について、より詳しく解説します。
取引所を経由しない取引は履歴が残しづらい
暗号資産ウォレットは、簡単な取引履歴しか残りません。そのため、DeFiなどで取引した場合のレートなどは記録に残らないのです。そのため、後ほど利益の計算をする際に、購入時の金額と売却時の金額を求めるのが難しくなるでしょう。
取引に慣れている人は、取引時の金額をエクセルなどで管理しています。
暗号資産取引所は詳細な履歴が残りますが、個人の暗号資産ウォレットは履歴が残らない点に注意してください。
エクセルで手入力または専門ツールを使うのがおすすめ
仮想通貨の確定申告を行う際は、エクセルで手入力する必要があります。しかし、多額の資産を頻繁に取引した場合は、非常に作業が多く大変です。
そんな方は、仮想通貨専用の確定申告ツールを使いましょう。自動的に口座を連携させて、履歴を取得して計算を行うツールです。
有名なところでは「G-tax」がシェアも高く、使いやすいツールといえます。
または、税理士をすでに雇っているまたは雇う余裕がある方は、税理士を雇用して税金の申告関係を任せた方が良いでしょう。
まとめ
仮想通貨ウォレットを使う際は、税金についても知識をつけておきましょう。課税のタイミングなど、まだ公的に明言されていない点も多いですが、利益が出たら基本的に雑所得に分類されます。
計算を自分でする自信がない場合は、税理士に依頼するかツールを入れることをおすすめします。
暗号資産取引の利益は課税対象ですので、後から追徴課税がくることのないように、しっかり管理して確定申告しましょう!
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