競合Blurを意識か
NFTマーケットプレイスのOpenSeaは、競合マーケットプレイスBlurの出現など、NFT市場の変化に対応して、3つの新しい施策を発表した。
これには、期間限定で取引手数料を無料にすること、最低手数料を0.5%に引き下げること、同じポリシーを採用するマーケットプレイスはブロックされないことが含まれる。
OpenSeaは、競合マーケットプレイスのBlurを含む、クリエイターのロイヤリティ設定を完全に実施しないマーケットプレイスを以前はブロックしていたが、この新しい方針により、これまでブロックされていたBlurをブロックしないことになった。
OpenSeaは、昨年11月から、他のマーケットプレイスがロイヤリティを支払わないか、減らすことが多い中で、ロイヤリティを維持する姿勢を示している。NFT市場のロイヤリティは、二次販売によってもクリエイターに報酬が入ることを指し、一般的に販売価格の5%から10%に設定されている。
OpenSea、3つの方針転換発表 競合Blurなどの台頭受けて
COIN POST
NFTマーケットプレイス市場を解説

NFT市場が荒れに荒れております。問題はOpenseaのどっちつかずな対応と新たに誕生したBlurの継続できなさそうなビジネスモデルの影響です。どっちも負けるという誰の得にもならないことが起きそうなので解説します。
NFTの価値は今回論じません。まず最初にOpenseaはNFTプラットフォームの勝者となりました。差別化がほぼできない売買プラットフォームという世界においてOpenseaが勝てたのは、Bored ape yacht club(BAYC)はじめ、多くのTOPのNFTに出資ができ関係を構築してきたからです。
特別Openseaに優れた機能があるわけではありません。これは今後何度も起きるNFTプラットフォーム競争の引き金になりました。
しばらくして、LooksRareやX2Y2などの売買するとお金が貯まる系のプラットフォームが台頭してきました。彼らはNFTブームが終息すると稼げないプラットフォームになり自滅しました。
次はNFTが主にGameFiで活躍し始めた時にNFT売買手数料の高さが問題になりました。NFTの制作者は未来永劫売買手数料を受け取ることができるというのはNFTの魅力の一つです。
原資は購入者が支払っております。そのため、GameFiで必要なNFTを売買する時にできるだけ手数料が安いプラットフォームで購入しようという動きが加速します。
ここでもOpenseaは新興勢力のプラットフォームに負けています。しかし、手数料を徹底的に排除したNFTプラットフォームは安さだけが魅力なので、魅力的な商品がなくなれば取引は激減します。
GameFiブームが下火になると同時にこれらの安いだけのプラットフォームは淘汰されていきました。そして今はBlurというOpenseaのやることに突っかかる新しい挑戦者の登場です。
BlurはOpenseaを使わない人にエアドロップの優遇措置を与えるなど調達した資金を活用しOpensea離れを促す施策を乱立しております。その結果、Openseaの月間取引量を超えたということが話題になりました。
これだけお金ばら撒けば相手からは顧客が取れますのでそりゃOpenseaには勝てるでしょという感じです。Openseaを使わなければお金あげますという戦略をとってOpenseaに負けたら目も当てられません。
Openseaもすぐにこの戦いを受け入れ一定期間の手数料無料、クリエーター報酬の減額、プラットフォーム独占系の企画の停止を発表しました。肝なのは一定期間ということです。
おそらくBlurというプラットフォームの戦略は長く続かないと判断したのでしょう。毎回Openseaを抜いた!と話題になるプラットフォームが数ヶ月後にはいなくなるという厳しい競争環境なので今回も過剰に情報に踊らされることなく冷静に見届けた方が良いでしょう。
いくらNFTのパイを奪ったところで、TOPのNFTブランドの大半の株主はOpenseaですよ。負けるわけないです。
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