AFTER COVID-19(コロナウイルス)の世界が徐々に見え始めた昨今、日本政府は緊急事態宣言の延長を決めました。
人命を優先するか、集団免疫に賭け経済活動を再開するか。
どちらが正解もありませんが、日本は前者の道を取り続けるようです。
ちなみに、スウェーデンやブラジルは後者を選びました。
この答え合わせは恐らく、2~3年後になるでしょう。
ただ、各種統計で失業率と自殺者数の相関関係は立証されており、
失業率が1%上昇で、2,500人近くが自らの命を絶つ という事実はここに記したいと思います。あの老舗メジャーが下した判断
そんな世界情勢ですが、あの欧州No.1老舗メジャーが驚きの判断を下しました!
第二次世界大戦後、はじめての減配。
高配当株で超有名なロイヤルダッチシェルが”AFTER COVID-19″を見越して手を打ちました。
英蘭系石油大手のロイヤル・ダッチ・シェル(RDSa.L)は30日、過去80年で初の減配に踏み切ると発表した。次回の自社株買いも停止する。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた需要減から国際原油価格が急落していることが背景。ベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は声明で「マクロ経済見通しの悪化が続いており、中・長期の見通しも非常に不透明だ。当社の耐性を強化し、財務力を支え、シェルの長期的な価値創造を助けるため、さらに慎重な措置を講じることにした」と表明した。
2020/4/30 ロイター通信「シェル、80年ぶりに減配へ 石油需要減で自社株買いも停止」
原油から読み解く世界経済
近年、アメリカのシェールオイル革命でアメリカが世界TOPの産油国となっていました。
それを良しと思わないのがロシアとサウジアラビア。
産油国(OPEC)の会合でも意見が食い違い、協調減産ができず、価格は下落傾向。
経済制裁を受けているロシアはとにかく外貨を得たい。
放漫財政で原油価格の下落は国家予算にも大きなダメージを与え、下落を止めたいサウジ。
我関せずで、旧来の産油国から派遣を完全に奪い取ろうとするアメリカ。
「チキンレース」が繰り広げられ、コロナショックで需要が減退しても供給は変わらず。
こうなると、市場原理は嘘をつきません。
5月物の原油先物がまさかの「マイナス」を付けたように需給が完全に崩れました。
通常は原油価格が下がると、非産出国の資源コストが低減することから、ポジティブです。
しかし、現状は コロナショックで需要が蒸発 しているため、先の見通しは全く予測不可能。
このような背景からロイヤルダッチシェル(RDS)の上層部は、減配しなかった伝統をついにぶち壊しました。
過去からの延長
RDSは米国市場にもADR(アメリカ預託証券)として上場しており、ドル建で購入できます。
また、英蘭の合弁企業なので、RDSB(英国籍)を購入すれば現地課税がなく、非課税で日本での源泉徴収20.315%を取られるだけということからも投資妙味ある銘柄でした。
しかもNISAを活用すれば完全に非課税に。
そのため長期投資家、インカムゲインを好む投資家からたばこ銘柄と同じように好まれるものでした。
確かにヤフーファイナンスを見ても原油価格に左右され、キャッシュは稼いでいるものの安定はせず乱高下なので、個人的には高配当と言えども、手出しはしないかなぁと思っていた銘柄でした。
ただ、ビジネスモデルは 探鉱 、生産、輸送、精製、販売までの石油事業を一括して行う垂直統合型 で、近年はLNGや水力、風力といった自然エネルギーにも投資をするなど、「ストーリー性」が感じられるのも否定できません。
過去からの延長であれば間違いなく、ロングという投資判断も一理あったことでしょう。
今までの当たり前が変わる?
少し話が逸れますが、「意外に何とかなるテレワーク」を体験した我々、日本人。
服装や住宅に関する考え方も徐々に変化が出てきているようです。
実際に、テレワークを経験したことで住まいへの意識が変化したという調査もある。リクルート住まいカンパニーが2月時点で発表した調査では、テレワークをきっかけに「引っ越しを実施した」「引っ越しを検討し始めている」「引っ越してみたい」と考えた人の割合は53%に上るという。
2020/4/7 FRIDAYデジタル 「コロナ地獄で不動産市場がこれから直面する大変革」
印鑑文化は真っ先に滅んで欲しい文化の一つですが、人の働き方が変わるというのはスーツや革靴の売れ行きも変わり、通勤スタイルも変わります。
人気が低迷していた郊外の宅地が人気復権するかもしれないという意見も日増しに多くなってきています。
今までの当たり前がコロナウイルスによって強制的に変革させられた私たち、人類。
過去はこうだったから、これからもこうなるだろう という思い込みは捨て、想像力豊かに、知的好奇心旺盛に未来を妄想しないと、AFTER COVID-19の世界を謳歌できないかもしれませんね。それでは!
この記事を書いた人
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東証一部上場企業で会社員として働くも、趣味の業界であるため、ストレスフリーで過ごす。 ファンダメンタル分析をベースに長年相場で戦い、経済的なストレスからも解放され、ストレスフリー。市場平均は常に超えてます。 社畜を軽蔑していることからか、辛口コメントなのがタマにキズ。
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