中国の仮想通貨規制強化と展望
中国人民銀行の潘功勝総裁は、最近の中国全人代常務委員会・第6回会議で、「国務院の財政活動に関する報告」を発表しました。
この中で、仮想通貨取引の投機活動を厳しく制限する意向が示されました。
中国は既に仮想通貨のマイニングや取引を禁止しており、その姿勢を強化していくとのこと。
一方で、デジタル人民元、中国の中央銀行デジタル通貨に対しては、積極的な取り組みを続けており、その試験運用が各地で行われています。
しかし、規制にも関わらず、多くの中国市民がVPNなどを利用して仮想通貨取引を継続している現状も指摘されています。
具体的に、2023年の調査データによれば、中国の仮想通貨投資家は、相当な資金を仮想通貨に投資しています。
一方で、ビットコインのマイニング活動は、過去の規制により大きく減少しましたが、最近のデータでは、世界のハッシュレート(採掘速度)で米国に次ぐ2位に位置しています。
このような背景を踏まえて、中国はデジタル人民元の普及を急ピッチで進めています。
実際、香港でもデジタル人民元を使用したショッピングイベントが行われるなど、その拡大を目指している様子が伺えます。
中国人民銀行総裁『仮想通貨取引を徹底して取り締まる』 全人代の発表文章で言及
引用元:COINPOST
中国の仮想通貨禁止と2028年解禁の期待
中国は改めて仮想通貨の取引を禁止するという方針を明らかにしました。
世界中の多くの国々が取り組むマネーロンダリング対策に加え、仮想通貨取引を通じた「投機活動」も禁じられています。
世界で最も厳しい仮想通貨の規制を持つ中国では、一般市民が容易に仮想通貨取引することは難しい状況にあります。
とはいえ、最近の仮想通貨取引所の独自レポートによれば、資産を最も多く保有しているのは中国人であるという事実が浮かび上がっています。
中国での仮想通貨の取り扱いは、日本での闇バイトと同じレベルで違法行為です。
それでも、中国人によって保有される仮想通貨の資産は、市場において高い影響力を持っています。
実際、中国では、一般市民よりも富裕層や投資家が仮想通貨を利用する傾向が強く見られます。
中国はブロックチェーン技術自体は受け入れており、IoT方面での活用や、CBDCに関する取り組みを早い段階で始めています。
中国が懸念しているのは、世界への資産の流出です。
最近では、ビットコインは分散型市場の利用用途以上に、中央集権が中心となりユーザーが増加傾向となります。
特に、金融安定委員会(FSB)や国際通貨基金(IMF)が仮想通貨の取り扱いに関するガイダンスを各国に発行してからこの傾向が加速しています。
中国が仮想通貨を合法化する時期については、まだはっきりとしたことを言うのは難しいですが、近いうちに実現するとは考えにくいです。
最終的な判断はWEB3.0市場をキャッチアップできるかどうかにかかっていますが、先例がないため、時間がかかることでしょう。
これまでの中国のビジネス手法を考えると、中国の企業が一定の市場シェアを持つまで市場は開かれません。
2024年の半減期バブルは無視されるかもしれませんが、2028年の半減期バブル中には、中国の仮想通貨解禁が熱い話題となるかもしれません。
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