バイナンス担当者「保管場所をミスした」
暗号資産取引所大手のバイナンスが、発行するトークンの担保資産と顧客資産を同じウォレットに保管していたことが判明しました。
バイナンスの担当者はこれは意図的なものではなく、同社のミスであったと説明しています。
Binanceが発行するトークンはBinance Bridgeにペッグされた「Bトークン」のことで、その約半分の担保資産は「Binance 8」というウォレットに保管されています。
現在、バイナンスは資産を担保ウォレットに移す作業を行っています。
バイナンス、自社で発行する「Bトークン」の担保状況について説明
COIN POST
バイナンスの預かり証型仮想通貨を解説
バイナンス社がBSCチェーンで発行しているラップドトークン(通称:Bトークン)の担保状況とウォレット管理の不備を大手メディアブルームバーグが暴露しました。
それに対してバイナンスは大筋を認めており言い訳をしているという記事が公開されました。これだけ見ても、バイナンスを使っている人やBUSDで資産を管理している人のリスク許容度はすごいなと感心します。
理由を説明する必要もなく、正しい管理をされていない状況の仮想通貨を触るべきではないし、一時的でも間違いが起きたプラットフォームは使わないほうが良いでしょう。
というのは聖人君主の解説です。伊藤はバイナンスを使う人の気持ちを十分理解しております。今回は『全てが正しい自己責任の世界』と『間違いがあっても他社責任ができる世界』とどちらが良いか?を解説します。
なぜバイナンスはわざわざネイティブトークン(本家のブロックチェーンで発行される仮想通貨、トラブルがあれば誰も責任は問われない)ではなく、ラップドトークン(自社の責任のもと発行される預かり証型仮想通貨)を活用するのでしょうか?
BTC(ネイティブ仮想通貨)が遅延していてもバイナンスを責めることはできませんが、BTCB(預かり証型仮想通貨)が取引所のビジネスモデルで考えれば全部ネイティブ仮想通貨で取り扱いをしたほうがリスクが少ないように見えます。
一つ目の問題はブロックチェーンの規格です。ブロックチェーンごとに仮想通貨の取り扱い方はバラバラなので、顧客の利便性を追求した結果、預かり証型仮想通貨でサービスを提供するようにしたと考えられます。
もう一つの問題は、バイナンスとは関係ないところでブロックチェーンのトラブルが起きてもバイナンスが顧客から責められる点です。ビットコインが遅延していてやむを得ないのにバイナンスを責めたことがある人もいることでしょう。
預かり証型仮想通貨の場合、このようなトラブルは回避されます。ビットコインはあくまで担保資産となり、顧客のやり取りは預かり証だけでやっておりますので、バイナンスの想定外のトラブルは起きませんし、仮にトラブルが起きたとしてもバイナンスの責任なのですぐに対応をすることができます。
いま仮想通貨の世界では預かり証仮想通貨のリスクが顕在化しました。しかし、ネイティブ仮想通貨は不便なのでリスクがありつつも便利だから預かり証型仮想通貨で売買をするという方は後を立ちません。
情報をアップデートするとネイティブ仮想通貨を便利に取り扱うことができるようになってきていることがわかります。2023年にはマルチチェーンをベースとしたDappsがたくさん誕生する見込みです。
すると、取引所が責任を持って発行している預かり証型仮想通貨のメリットは激減します。いよいよバイナンス一強の時代は終わりました!とまとめたいところですが、マルチチェーンのDappsを使う人少ないと思います。
使い方は難しいし、作業ミスしたら自己責任だし。一般大衆が一般大衆として存在するうちはバイナンスの牙城は崩れないということがコインポストのコメント欄を見てよくわかりました。頑張れバイナンス!
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