SWIFT(国際銀行間金融通信協会)は、独自で開発したGPI(グローバル・ペイメント・イノベーション)をブロックチェーン企業に導入すると発表しました。
SWIFTとは、国際銀行間の送金や決済に利用される安全なネットワーク等を提供する組織で、本部はベルギーにあり、1万を超える世界中の金融機関が、SWIFTの標準化された通信フォーマットを利用して日々大量の決済業務等を行っていますが、送金スピードが遅く、コストが高いことが問題視されていました。
そこで、今年の1月に、ブロックチェーン企業の「R3」社と提携し、GPIにおける貿易向けとeコマースのブロックチェーン実証実験(PoC)を成功しており、ブロックチェーンベースの取引プラットフォームでもGPIの支払いを可能にすると明かしています。
GPIは2017年に立ち上げられ、コルレス銀行(別の銀行のために決済を代行する銀行)のネットワークを通じて、海外送金のコスト削減やスピードの向上、確実性を実現しており、同システムによるクロスボーダー送金は55%に達し、取引の半分は数分以内に送金を完了させています。また2年以内にクロスボーダー送金の決済は全てGPIにすることを目指したいます。
ですが、ユーザーは従来のシステム以上に速い支払いとコスト削減を求めており、ブロックチェーン企業と提携することで、クロスボーダー送金の問題を解決することができます。
SWIFTはどのブロックチェーン企業と連携し、GPIの普及を進めていくかは明言していないですが、クロスボーダー送金を顧客が求めているニーズに応えるためには、ブロックチェーン技術が必要となってきます。
Ripple、JPモルガン、Facebookのコンソーシアムなどをはじめクロスボーダー送金市場での競争は激しくなっていき、今後この業界はますます拡大していくことでしょう。
実はこのニュースは奥が深く、ブロックチェーンの将来を大きく変えてしまう可能性があります。
SWIFTの送金ネットワークは課題があり、ブロックチェーンの導入により解決を図ろうとする姿勢が常にありました。
すんなりとブロックチェーンの導入が決まらなかった背景には「透明性」と「法律」の問題がありました。
透明性に関しては、銀行が送金をやり取りするには透明性が「高すぎる」という問題です。
今回SWIFTが独自開発するブロックチェーンは「匿名性」と「法律」を満たした内容になるでしょう。ブロックチェーン企業に取ってみても「匿名性」と「法律」をクリアすることは課題でした。
SWIFTが指導するブロックチェーンは企業に取っては有益ですが、本来の非中央集権の概念からは離れたものになる可能性があります。
ブロックチェーンを活用していればすべてが分散型というわけではなく、ブロックチェーンを使った中央集権と非中央集権の両方が乱立する市場になるでしょう。
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